概要
オレをそこらの野良猫と一緒にするんじゃねえ、婆さん。
いつしか婆さんの家に転がり込んだ、曰くつきの猫。
「冬は寒いからな。駄目猫の真似だってしてやるさ」とかなんとか。
ある冬の夜、静かに暮す一人と一匹に不穏な影が差す――
※ 「真冬のもののけ」というテーマでお話を書いてみよう。そんな雑談の中から生まれた、ファンタジー短編です。
「冬は寒いからな。駄目猫の真似だってしてやるさ」とかなんとか。
ある冬の夜、静かに暮す一人と一匹に不穏な影が差す――
※ 「真冬のもののけ」というテーマでお話を書いてみよう。そんな雑談の中から生まれた、ファンタジー短編です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!なんとも強く温かいもののけ。願わくば、全ての老人のそばに。
なんとも言えず温かく、どこか悲しく懐かしい切なさに溢れた短編です。
見かけはどうやら猫っぽい獣の姿をし、「ギニャア」と可愛げのない声で鳴き、そして中身はたいそう男前な物の怪。
夜更けに墓参りをする老婦人と寺で出会い、闇の中を目的の墓まで案内した彼。お礼に彼女から美味なる「ソウセイジ」をもらったことがその出会いだった。
いつしか彼女の家に居着き、静かに暮らす彼女の膝で一日を過ごす。
耳も遠く、普段の生活さえ心許ない彼女の家に、大晦日の夜、怪しい人間の影が——。
長い年月を生き、今は彼女に寄り添う物の怪の心の温かさ。弱いものにたかる人間の醜さが、むしろ怪物に見えてきます。
願わくば、ひと…続きを読む