
「カクヨムコンテスト11【短編】」の企画、「お題フェス」。
期間中に運営から出されるお題をもとに400~1万字の作品を執筆&公開し、タグ「お題フェス11」をつけて「カクヨムコンテスト11【短編】」に応募することで参加できます。
翌々週のお題発表時には、トリが気になった作品をコメント付きでご紹介いたします!
また「小説に初チャレンジしてみたい!」という方のために、ちょっとした創作コラムもお届けします。
どう書き始めればいいかのヒントになるかも!?
この機会にぜひ、カクヨムコンへご参加ください!
今週のお題
「天気」
「天気」は私たちにとって、実に身近な現象。何気ない会話は、しばしば天気の話題で始まります。
しかし物語の中では、運命を左右する豪雨だったり心を映し出すかのような晴天や曇天だったり、重要な役割を果たすことも。
時に主人公の背中を押し、時に主人公の行く手を阻む。
今回は、そんな「天気」をテーマにした小説またはエッセイを募集します。
参加方法
①お題を確認
②お題をもとに、期間内に作品を執筆&公開
③タグ「お題フェス11」をつけて「カクヨムコンテスト11【短編】」に応募
④投稿された作品の中から、運営(トリ)が「これは!!」と気になった作品を選んで、翌々週のお題発表時にコメント付きでご紹介
※ひとつのお題につき、何作品応募しても問題ありません。
※「カクヨムコンテスト11【短編】」のどちらの部門でチャレンジいただいてもかまいません。ジャンルも不問です。
※字数等の作品形式は、「カクヨムコンテスト11【短編】」に準じます。
※参加賞品等はありません。
お題「天気」の応募締切
2026年1月13日(火)18:00
お題「卵」より、トリが気になった作品
第2回のお題「卵」では、337作品のご応募をいただきました。ありがとうございました!!
食べ物としての卵、割れものとしての卵、誰かから産み付けられる卵……。ほんわか系から恐怖系までいろいろなテーマの作品をご応募いただきました。
そんな337作品のなかで、トリが気になった作品はこちらです。
主人公は17歳の「アイドルの卵」、大原美咲。この日、自衛隊の一日師団長を務めます。「一日駅長」「一日市長」などをタレントが務めるのはよく聞く話ですが、なんと美咲は師団長としての抱負を述べるスピーチの場で、(元)師団長の拘束・幽閉を指示。次いで首都東京の制圧を命じます。
当然初めは誰も従わないのですが、「一日」とは言え師団長の命令は絶対。問答の末、隊員たちは少しずつ美咲の指示に従うようになり、(元)師団長は拘束されます。
実は他の要職もまた「一日~」のノリで同じアイドルグループによって占拠されていたこの日、前代未聞の、一日限りの国盗り合戦が幕を開けるのでした……。
非常に興味をそそられる掴みでした。短編ですが、これを第1話にした長編が読みたいと思ったほどです。
いかにもエンタメ性の高い設定のなかで、冒頭では間違いなくアイドルだった美咲が周囲から指揮官として認められ、いつの間にか軍人として「孵化」していく様子にも痛快なおもしろさがありました。
独立国家の作り方さん、そしてご応募いただいたみなさま、さまざまな「卵」をありがとうございました!!
トリの創作コラム ~初チャレンジのみなさまへ~
小説執筆に正解はありませんが、「こういう取り組み方がある」と知っていることがなにかの役に立つかもしれません!
なお書いてある内容はあくまで一つの考え方なので、参考程度にご理解ください。
ここまでのコラム
ここまでのコラムをまだ読んでいない人は、ぜひあわせてご覧ください。
【おさらい】
ここまで、「物語とは〈欠けている〉ものが〈満ちていく〉過程である」という説をご紹介してきました。
たとえば勇者が魔王を倒す異世界ファンタジーなら、
①魔王によって平和が奪われる
②勇者は平和を取り戻すため、さまざまな苦難に挑む
③勇者は魔王を討ち、平和を取り戻す
このように、欠けてしまった「平和」を満たそうとするのがメインの筋書きになります。
今回考えたいのは、なぜ勇者は命を懸けてまで「平和」を取り戻すのかということです。
その冒険の旅は長く、苦しいものであるはずです。それでもなお立ち上がるのは、きっと勇者なりの動機あってのことでしょう。
これは探偵や恋愛ものの主人公にも同じことが言えます。
なぜ主人公は、困難が立ちはだかるこの使命に立ち向かうのでしょうか?
もちろん、「そういう役割を持った人間だから」と割り切ることも可能です。
しかし読者が本当に共感し、その背中を追いかけたくなるのは、主人公の心の奥底に個人的な「欠落」が隠されている時です。
何かが欠落している主人公
たとえば勇者が世界を救う動機が「使命感」ではなく、「寂しさ」だったらどうでしょうか。
天涯孤独で特定の居場所がなく、寂しさでいっぱいの幼少期を過ごした主人公。
のちに勇者の称号を与えられた彼は、「魔王を倒して世界に平和を取り戻すこと」が「自分がいてもいい居場所を作ること」に繋がると考えています。だからこそボロボロになっても立ち上がり、その姿に読者は涙するのです。
同様に、探偵に「かつて誤った推理で無実の人を有罪にしてしまった過去がある」という設定を与えてみましょう。
すると探偵は職務だからというだけではなく、罪滅ぼしのために、もしくは探偵としてのプライドを取り戻すために真実を追い求めることになります。
だからこそ、探偵は絶対に犯人に負けられないのです。犯人との騙し合いが、「二度と間違えられない」というヒリヒリした緊張感をもって伝わるはずです。
整理すると、主人公に与えられた課題には二つのレイヤーがあるということになります。
①外的な欠如
・平和(魔王によって奪われた)
・事件の真実(犯人によって隠された)
②内的な欠如
・居場所(幼少期から存在しなかった)
・探偵としてのプライド(過去の事件で失った)
そして①を満たすことが②を満たすことになる、または①を満たそうとする過程で自然と②が満ちていく、というのが魅力的な物語の構造です。
実作での取り入れ方
これはあくまで基礎的な考え方なので、実際の作品で必ずしもこの通りになっているとは限りません。
実際にはさまざまな変則的パターンで、時にはまったく逆のパターンで数多くのヒット作が生まれています。
たとえば欠落を抱えているのは準主人公(恋人役やバディなど)で、主人公はその使命を助けているパターン。
「欠落」の描写はシリアスになりがちなので、そのバランスを取るための工夫の一つと言えるかもしれません。「欠落」を抱えた人間を、一般人の目線で描写するというテクニックでもあります。
主人公が自身の欠落について自覚的か、現状を変えたいと思っているかという点もさまざまなケースが考えられます。冒頭ではこのままでいいと思っていた主人公が、外的な欠如を埋めようとする過程を経て自分を見つめ直す、というのも王道の物語展開でしょう。
みなさんの好きな物語やご自身で執筆された物語では、誰の「内的な欠如」を埋めようとする動きが、どのような「外的な欠如」を満たす結果になっているでしょうか?
さまざまな発見があるはずなので、ぜひいろいろ当てはめて考えてみてください。
引き続き、すてきな作品のご応募をお待ちしております!
「カクヨムコンテスト11【短編】」の応募要項はこちらから。


