
「カクヨムコンテスト11【短編】」の企画、「お題フェス」。
期間中に運営から出されるお題をもとに400~1万字の作品を執筆&公開し、タグ「お題フェス11」をつけて「カクヨムコンテスト11【短編】」に応募することで参加できます。
翌々週のお題発表時には、トリが気になった作品をコメント付きでご紹介いたします!
また「小説に初チャレンジしてみたい!」という方のために、ちょっとした創作コラムもお届けします。
どう書き始めればいいかのヒントになるかも!?
この機会にぜひ、カクヨムコンへご参加ください!
今週のお題
「祝い」
「祝い」。よきこと、めでたいことが起こった際にそれをよろこぶ感情、またはその感情をあらわす儀式や品物を指します。おそらく、人間にとってきわめて原始的な概念と言ってよいでしょう。
生誕を祝う、門出を祝う、成功を祝う、そしてこの時期ならば新年を祝う……。私たちの日常は、大小さまざまな「祝い」に彩られています。
しかし、その形は千差万別。人々が手を取り合うにぎやかな祝宴もあれば、たった一人で静かに噛みしめる祝杯もあります。
あなたの作品においては、どのような光景のなかに「祝い」があるでしょうか。
今回は、そんな「祝い」をテーマにした小説またはエッセイを募集します。
2025年を締めくくり、2026年へと繋がっていくような、そんな一作をお待ちしています。
参加方法
①お題を確認
②お題をもとに、期間内に作品を執筆&公開
③タグ「お題フェス11」をつけて「カクヨムコンテスト11【短編】」に応募
④投稿された作品の中から、運営(トリ)が「これは!!」と気になった作品を選んで、翌々週のお題発表時にコメント付きでご紹介
※ひとつのお題につき、何作品応募しても問題ありません。
※「カクヨムコンテスト11【短編】」のどちらの部門でチャレンジいただいてもかまいません。ジャンルも不問です。
※字数等の作品形式は、「カクヨムコンテスト11【短編】」に準じます。
※参加賞品等はありません。
お題「祝い」の応募締切
2026年1月6日(火)18:00
お題「未知」より、トリが気になった作品
第1回のお題「未知」では、455作品のご応募をいただきました。ありがとうございました!!
「未知との遭遇」のような宇宙人もの、未知を探検する冒険譚、自身の未知との出会いを描いたエッセイなど、いろいろなテーマの作品をご応募いただきました。
そんな455作品のなかで、トリが気になった作品はこちらです。
2025年の年の瀬、主人公は道端で「それ」を拾います。
「それ」は、何なのかまったくわからない未知の存在。スマホを使って調べても、さっぱり要領を得ません。
妙に気になって、猫の待つ自宅に「それ」を持ち帰ってみると……。
「それ」と表されたそれの存在感がひたすらに不気味で、でもどこか可愛らしく、しかしやっぱり怖い。
特に惹かれたのが、猫と「それ」の関係です。はじめは警戒し、威嚇していた猫が「それ」と築く関係性の移り変わりは、読者自身が「それ」に向ける視線とリンクするバロメータにもなっており、非常に効果的だと思いました。
櫻庭ぬるさん、そしてご応募いただいたみなさま、さまざまな「未知」をありがとうございました!!
トリの創作コラム ~初チャレンジのみなさまへ~
小説執筆に正解はありませんが、「こういう取り組み方がある」と知っていることがなにかの役に立つかもしれません!
なお書いてある内容はあくまで一つの考え方なので、参考程度にご理解ください。
ここまでのコラム
ここまでのコラムをまだ読んでいない人は、ぜひあわせてご覧ください。
【おさらい】
第2回でご紹介したのは、ジャンルに関わらずあらゆる物語が「〈欠けている〉ものが〈満ちていく〉」構造を持っているというセオリーでした。
例:勇者が魔王を倒す異世界ファンタジー
①魔王によって平和が奪われる
②勇者は平和を取り戻すため、さまざまな苦難に挑む
③勇者は魔王を討ち、平和を取り戻す
例:AがBに恋するラブストーリー
①AはBを好きになるが、すぐには恋仲にはなれない
②Bと恋仲になるためAは奔走し、さまざまな試練に直面する
③Aは最終試練を乗り越え、Bと恋仲になる
例:探偵が謎を解くミステリー
①犯人によって真実が隠される
②探偵は真実を明らかにするため、捜査・推理する
③探偵はトリックを突き止め、真実を明らかにする
いずれも〈欠けている〉=奪われた/隠された/失敗していた/実現していない何かが、〈満ちていく〉=取り戻される/明らかにされる/成功する/実現する、という構造です。
これを前提に、今回は「主人公」とこの構造の関係を考えてみましょう。先ほどの例では「勇者」「A」「探偵」が主人公に当たるわけですが、いったい「主人公」とは何者なのでしょう?
先に結論から言うと、主人公とは「運命」を持つ者です。
どのような運命か? それは、〈欠けている〉ものを〈満たしていく〉運命です。
キャラクターの「運命」
まず、主人公に限らずキャラクターは「メイン属性」とメイン属性に伴う「運命」を持っています。
ちょっとだけ難しく聞こえてしまったかもしれませんが、なんのことはありません。
たとえば「探偵」というメイン属性を持つ主人公は「謎を解く」運命にある、ということです。謎を解かなければ、それは探偵ではありません。
同じように勇者は平和をもたらす運命にあり、恋をした人は恋を成就させようと奮闘する運命にあります。
つまり運命とは「その属性の人なら絶対こうするよね」と了解できる行動、もっと言えば「その属性に紐づけられている行動」のことです。
主人公の「運命」
主人公以外のキャラクターも「メイン属性」と「運命」を持っています。
たとえば「陽気な音楽家」は、宴会の場にあればいてもたってもいられず歌って踊るでしょう。「超がつくほどのゲーマー」なら、新作ソフトが発売されたらすぐにプレイするはずです。
ではそういったキャラクターと主人公の違いはなんでしょうか。
一言で言えば、それは「運命」が〈欠けている〉ものと対応しているかどうかです。
何度か言及した「探偵」が主人公であるのは、非常にわかりやすい例です。
「探偵」である以上、〈欠けている〉もの=真実を追求することが行動原理になります。
実際の作品では、そこまでわかりやすく対応することは珍しいでしょう。むしろ、主人公が運命に従って動いたら結果的に〈欠けている〉ものを満たしたという場合が多いかもしれません。
たとえば、「恐怖ゼロのオカルトマニア」である主人公が目の前の心霊スポットに嬉々として飛び込んだら結果的に大企業による闇の実験を暴いてしまったとか、「記憶喪失者」である主人公が自分を取り戻そうと旅していたら世界の問題を解決してしまったとか、そのようなパターンです。
いずれにせよ、主人公の定義は世界にとっての〈欠けている〉ものと深く結びついています。世界は他の誰でもなく、主人公によってしか救われないのです。
キャラとストーリーがどうしてもうまく嚙み合わない、主人公がどうしても思ったように動いてくれない気がするときは、
- 主人公の「メイン属性」を一言で表すと何だろう?
- この物語の冒頭で〈欠けている〉ものは何だろう?
- 主人公の「メイン属性」と〈欠けている〉ものはうまく対応しているだろうか?
といったポイントを確認すると、うまく噛み合った物語が見えてくると思います。
次回はこの点をもう少し掘り下げて、「世界に〈欠けている〉もの」と「主人公に〈欠けている〉もの」についてお話しします。
引き続き、すてきな作品のご応募をお待ちしております!
「カクヨムコンテスト11【短編】」の応募要項はこちらから。


