第26話

彼に応えてしまう自分の姿は、異形の物のようにしか思えなくて。






それがたまらなく恥ずかしくて、消えてしまいたいとすら感じていたのに。






そんな私を見下ろす朋紀の眼差しは熱を帯び、口元は微かに笑んでいて。






その表情は、時折、悦楽に眉を歪ませながらも、恍惚として見えた。









彼の強引な要求は、想像以上に私の意識を苛んだけれど。





それは私を慈しんでいる証なのだと、彼の真摯な眼差しが、優しい口づけが、根気強く解らせてくれたから。





私は、それを許す事ができた。





その果てに芽生えた、狂おしい程の愛しさは……単純な悦びには遠くて。










切ないという感覚に、とても似ていた。

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