第5話

時計は午前10時を少しまわったところ。




パジャマ代わりのニットのワンピースでダラダラしてちゃいけない……と思いつつ、着替えすらも億劫に感じられる。






~~♪





床に座り込んだ瞬間のインターホンの音に、思わず軽く舌打ちをしてしまった。





下ろしたばかりの腰を再び持ち上げるのは、思いのほか怠い。




「よっ……と」




ミニテーブルに両手をついて一気に立ち上がり、立ち眩みを堪えながら玄関へ移動する。




起きてから何も食べていない所為か、身体に力が入らなくて足もふらついていたけれど、部屋から数歩のところにある玄関までは、なんとか踏ん張れた。




「はいはい~」




小さい声で返事をしながら、鍵を開けて重いドアを開いた。




いや、開きかけた、が正しい。




ドアが少し開いたところで、いきなり外側から強く引っ張られ、私はドアノブを掴んだまま前のめりに倒れそうになった。

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