第18話

「そんなに……私、信用ならない?」




「瑠羽が、じゃなくて、瑠羽の周囲の男全てが信用ならない」




「………」





そう言われてしまうと返す言葉もない。





私だって、職場で出会う男の人が全て、信用できる人物かどうかなんて、分からないもの。





学生の頃のように、自分の好き嫌いでつき合う人を選んでいいワケでもないし。





朋紀がそういう事を心配するのは、当然のことなのかもしれない。







朋紀は、黙り込んでしまった私の左手をそっと握り、その甲に自分の頬を押しあてた。





愛おしむような朋紀の表情に、胸の奥が疼く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る