Chapter3

第14話

彼が何を私に要求しているのか……充分すぎるぐらい分かっていた。





そう。





便宜上とはいえ婚約した私達に、もうなんの制約もない。





それを忘れたとは、言わない。





でも……。





私は、何も答えられず、彼の眼差しから目を反らしていた。





すると、私の身体は彼の腕に抱え上げられて……。





そのままベッドの上に組み敷かれてしまった。






突然の衝撃に身体は強張り、悲鳴も出ない。





動揺を隠せず見上げているだけの私の上で、朋紀はベッドの脇の窓のカーテンを閉じた。

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