第10話

「お祖母様とはどうだった?幻滅されてなかった?」




「楽しそうに喋ってたよ。なんていうか……更に親しくなった感じ」




彼はそう答えてベッドから床へ座り直すと、ミニテーブルの上のグラスに手を伸ばし、それを口に運んだ。




その一連のたわいのない仕草に、胸が甘く疼く。




高校を卒業したばかりの朋紀だけれど、Vネックのニットシャツとジーンズ姿の彼はとても大人びて見えて。




四つも年下だという事を、つい、忘れてしまうし、こんな風に見とれてしまう事も……しばしば……。






「ん?何?」




首を傾げた朋紀に訊ねられ、我に返った私は、慌てて居ずまいを正していた。

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