第25話

朋紀は、乱雑にニットシャツを脱ぎ捨てて、私の身体を外界から隠すように覆いかぶさると、掌でそっと私の首筋を撫で下ろした。





「や……」





頭では受け入れようと思っていても、朋紀の手を反射的に押し戻してしまう。





そんな私に、彼はただ困ったように微笑んで、私の両手を絡めとり、優しく引き上げて枕の上に押さえつけた。











あり得ない、とか、怖いとか、声にならない支離滅裂な叫びは、思念と共に脳内にひしめいて。






喉の奥からは、自分のモノとは思えない頼りない声が漏れ出て……それを押し殺すこともできない。






初めてなのは、彼もきっと同じはずなのに……。






私の身体を翻弄する彼の唇も、手も、指も……迷いを見せない。







耐えきれず眉を歪めてしまえば、宥めるように口づけられて。





その優しさに安堵して力を解けば、たちまち容赦なく煽られる。






私だけが、溺れて、無我夢中で縋り付いて、懇願させられて……。





彼は、そんな私を、優しく愛おしみながら、幾度と無く突き放した。

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