第28話

「朋紀?」





彼の髪を掌で触れて、私は小さく声を掛けた。






「ん」





掠れた声で答えた朋紀は、まだ私の胸の上に頬を押しあてたまま。







「えと……あの……大丈夫?」






こういうコトの後で、女子から相手を気遣う言葉ってどうなんだろう?と思ったけれど、そんな言葉しか出てこなかった。





だって、朋紀の身体がぐったりしていて、肌が凄く熱いから……。







「大丈夫じゃない……」






心臓の真上あたりで響いた彼の声は、心なしか弱々しく聞こえる。







「え……っ。どうしたのっ?」





私は、乗り上げていた朋紀の上体を抱えながら起きあがり、彼の重みをベッドの上にゆっくりと移した。

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