第12話

「着替えちゃう前に………」





耳元にそう囁かれた直後、朋紀の唇が私の唇に重なった。





……ううん、重なっただけじゃない。





今まで何度かしてきた、軽く重ねるようなそれではなく……。





初めての時と同じ、強引で……意識が眩むような……艶めかしいキス……。





両手の力がぬけて、掴んでいた服が床に落ちた。





ああ、もうっ。





だから、ダメなんだってば……。





こんな風にされたら……。





気が振れてしまいそうで……。





身体の核が疼いて、自分が自分じゃなくなるようで……。





この、足下から崩れ落ちるような感覚が……たまらなく怖い……。

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