雑記帳3「遅く考える」

頭がいい人って、頭の回転が速い! とかよくいうじゃないですか。

漫画とかでも、1を聞いて10を悟る、みたいなのが「頭がいい」の典型的な描かれ方ですよね。


ただこれってちょっと画一的すぎるんですよね。

鷹山はけっこう弟子を指導していて、逆の現象をよく目にするんですよ。

その辺をちょっと今日は書こうかな、と。


まあ、言葉を選ばずに言えば、あまり頭の良くない子も、弟子にはけっこうくるんですよ。

もちろん、頭のいい子も。

で、そう言うのを見比べているとですね。

むしろ逆だったんですよね。

頭の良い子のほうが頭の回転は遅く、頭の悪い子のほうが頭の回転自体は速かったんです。


頭の良い子って、最近話題の石丸論法を使うんですよ。

マスコミは馬鹿にしますけどね。

前提の「ズレ」をとにかく直そうとするんですよね。

物事を細かく考えていて、その細かなズレが気になって、そこの整合性を取りながら話を進めていこうとする。

そういう細かい部分のズレを検証しながら直しながら、丁寧に話を、あるいは思考を進めようとするので、どうしても思考速度は「遅く」なります。


一方のあまり頭の良くない子。

思考速度自体は本当に恐ろしく速いんです。

ただすさまじく「雑」なんですね。

論理的整合性、みたいなものを一切考慮せずに思考をガンガン飛ばして進めていく。

新しく家を建てようってのに、土台や柱の安定性を確認せずに進める感じでしょうか。

そりゃそんな家(理論)、すぐに倒壊(矛盾)しますよね。


会話も似た感じになります。

頭の良い子は、歩きながらボール(会話)のキャッチボールをするんですよ。

逆に頭のよろしくない子は、

こっちが歩いているのに、あっちは自動車で突っ走っていく感じ。

そりゃこっちから投げたボールを取りこぼしまくるよね、と。

自動車で走りながら、周りの景色の情報を正確に認識していくってのも無理な話じゃないですか。

で、そんな速いだけ・・の思考をしていたら、全く話がわからなくなるわけです。

その分からなくなった場所でずうっとぐるぐるぐるぐる高速回転している、話題が別のことに移ってもずうっとそこのことばっか考えている。

で、結果、「頭の回転が遅い」という風に「外から見える」だけなんですよね。



ギャグの回で思考の飛ばし方を書きましたが、実はあれはそこを分析して着想を得たものであります。

人間ってけっこう表層での思考以外にも、けっこう無意識下で思考・計算処理をしているんですよね。

で、頭のあまり良くない人というのは、その無意識下での思考・計算処理が論理的に行われていないのです。

たとえば、

3+3=(尻→おしりとおしりでお知り合い→)○○さん

という思考があったとして、

で、( )内の思考を飛ばしていることに本人が気づいていないんですね。

まだ( )内が論理的につながっているんなら、問題は生じませんが、

イメージでの飛躍、音での飛躍でつながっているケースですと、その飛ばし方は明後日にいきます。

あまり頭のよろしくない人というのは、実はこういう感じなんだな、と分析していて感じました。

非論理的に思考を2~3段、飛ばしている。

で、その飛ばしに本人も気づいていない。非論理に飛ばしているのに、おかしいことに疑いがない。

だから、どんどん他人と話がズレていくし、とんちんかんになるわけです。

どっか飛びを自覚している人は、雑談ならネタとして言う、真面目な話の時は、ゴミとして捨てる、みたいな感じで使い分けられるんですけどね。



逆に言うと、そういうイメージと音による連想だけの人たちが、頭をよくするには、あるいはまっとうな受け答えが出来るようになるためには、

自分がまず思考が飛んでいる(=思考が速すぎる)ということを自覚することなんですよね。

そういう人たちって割と、自分は頭の回転が遅い、とか思いこんでしまっているんですよ。

だから、余計に急いでしまう。回転を速めようとする。

逆なんですよ、ほんと。


むしろ思考をとにかく遅めて、一つ一つ丁寧にゆっくりと「論理的に」積み上げていく。

そういう訓練が必要なんですよね。

で、頭が良い人、仕事が出来る人というのは

この思考回路そのものはむしろ早くなくて、そっちよりも物事を細かく見ていて、それでいてその一つ一つを丁寧にゆっくりと、論理的に積み上げていく人のことを言うのだなーというのが、鷹山の人間分析の結論です。

で、そのゆっくり丁寧に、を繰り返していると、人間は慣れる生き物なので、丁寧なまま速くなる、ということができる。

なのでまずは、急がず慌てずゆっくり丁寧に、を心がけるのが肝要かな、と思います。



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