ログライン能力向上訓練②

では、二つ目の訓練法

『WEB記事読解訓練』です。


こっちは①が出来ない人向けですね。

①は割と一定以上の主観の切り離し能力とまとめ能力がないと、とんちんかんな回答ばかりで相手を不快にしがち。

かつ気が付いたら、自分の考え、あるいは話に夢中になってしまっている、ってケースが頻出するんですよね。


訓練法①で、ズレたまとめを連発しまくる人には、この②のやり方でもっと基礎から訓練する必要があるかな、と思います。

中級編と銘打ってはいますが、ある意味、本当の意味でこれこそ「初心者向け」な訓練と言えます。

ただありていに言えば、日本語の読解力がかなり低い人向けです。

で、読解力がないひとって、鷹山が見てきた感じ、別に日本語の単語を知らないわけじゃないんですよね。

感情の切り離しがとにかく下手!

と言う印象です。

感情的になると間違えやすい、と前項で語りましたが、

そういう人たちはとにかく現実への認識がそもそも大きく間違っている事が多く、適切な指導の下、それを修正する必要があるなぁ、と感じます。

別にこれ、鷹山の考えに染めてやる! とかそういうわけではないので誤解なきよう。

そこそこに「幅」を持たせて、これぐらいの認識なら現実とのズレは少ない、逆にこの幅を越えてたら、「認知の歪み」と言う感じで処理しております。

まあ、そういう意味で、こういうことが出来る人が必要な訓練法ではあります。



ただまあ、やり方だけは紹介しておきます。

やることは単純

WEBにある適当な記事を読んでもらい、この記事で『作者が言いたいこと』を抜き出してもらう

これだけです。前項の会話とやることは一緒ですね。

ただまあ、日常会話のほうがまとまっていない、とりとめがないもので、PREPになってないことも多々あります。

最初は規則性があったほうが理解がしやすい。

なので、PREPで綺麗にまとまっている記事からやるほうが、初心者にはわかりやすいなーとは強く感じます。


なお鷹山が見てきた中での誤読パターンで多かったのは、

実際の筆者が言いたいことではなく、『自分の感情が刺激されたところ』を作者の言いたいこととして抜き出してくるケース、ですかね。


前回、『感情が強い時ほど、そのくそ強い感情しか見えなくなりがち』と書きましたが、これを少し言い換えると

人間には感情を強く刺激されると、それしか見えなくなる特性があります。

これにより、実際の筆者が言いたいことではなく、自分の感情が刺激されたところ、を「作者の言いたいこと」と勘違いしちゃうんですね。


一番わかりやすいのは、最近話題の石丸さんですね。

そこまで言って委員会において以下の発言をなされました。

「あと100年か200年かかると思うんですけど、今の社会の規範じゃ無理なんですよ。

先進国、どこも人口減少克服できていないので、例えば一夫多妻制を導入するとか、遺伝子的に子供を産み出すとか、例えばSFのお話に聞こえるかもしれないんですが、そこまでやらないと人口減少も止まらないんです

ただ、今はどう考えても無理です。それをやろうとは思ってないです。社会が変わるには100年、200年、日本だったら300年かかるかもしれない」


これ、ちゃんと読むと、石丸さんが言いたいのは

「人口減少を止める事は現代では無理です、ちゃんとした対策は一〇〇年、二〇〇年ぐらい時間が必要」

です。

なのに『一夫多妻制』という「感情を刺激するワード」に飛びついて、多くのマスコミが、石丸氏は一夫多妻制を導入しようとしている! あるいは、肯定的! といった風に報道しておりました。

ひな壇に座っていた人たちや、視聴していた人にも、そういう勘違いした方は少なくなかったように思います。


どう考えても無理、やろうとも思っていない、って言っているのに、「感情を刺激する強いワード」に引っ張られ、文脈を見誤ってるわけです。

まあ、マスゴミはわざとやっているのかもしれませんが(苦笑)


ただ現実に、WEB記事読解問題を弟子にやらせていると、こういうミスをしている人が本当に本当に多い!!

自分の感情が刺激された部分が、筆者の言いたいことだ! と誤読してきます。


感情に引きずられず、それを「切り離して」、筆者の言いたいこと、に目を向ける

これがまず、感情の切り離し訓練になり、

筆者の言いたいことを抜き出す、のが情報の中から優先順位の高いものを抜き出す=ログラインを抽出する能力訓練になっているという寸法です。


国語の得意な友達などがおられれば、そのひとに頼んでみるのもいいかもしれませんね

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