概要
心を救われたいなら甘味へ。誰かを生き地獄に堕としたいなら——カクテルへ
――癒しは、優しいだけじゃない。
泣くだけでは許されない。
向き合わなければ進めない。
甘味は心を開かせる儀式。
その奥に、本人の罪と痛みがある。
甘味処「花月堂」は、地図に載らない。心に深い傷を負った者の前にだけ、そっと門戸を開く。
店主の神楽木花月(かぐらぎ かげつ)は、人ならざる美青年。
彼が供する甘味は、人の心を過去の記憶の旅に導き、深い悲しみを救い上げる。
「どうぞこのお菓子を。あなたを待っている誰かがいますよ」
しかし深い怨みや憎しみを抱えた心には、夜の底に沈むバー「Abyss」の扉が開く。
バーテンダー・篁壮一郎(たかむら そういちろう)は、花月の古い友人。
彼の作るカクテルは「呪い」を宿し、悪へ静かに牙を剥く。
「飲めば呪いは発動する。だが怨みが正当じゃない場合、
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?