概要
甘味が人の心を解きほぐし、カクテルが人の罪を裁く。千年の夜を越える物語
――癒しは、優しいだけじゃない。
甘味処「花月堂」は、地図に載らない。心に深い傷を負った者の前にだけ、そっと門戸を開く。
店主の神楽木花月(かぐらぎ かげつ)が供する甘味は、人の心を記憶の旅に導き、深い悲しみを救い上げる。
「どうぞこのお菓子を。あなたを待っている誰かがいますよ」
しかし深い怨みや憎しみを抱えた心には、夜の底に沈むバー「Abyss」の扉が開く。
バーテンダー・篁壮一郎(たかむら そういちろう)は、花月の古い友人。
彼の作るカクテルは「呪い」を宿し、悪へ静かに牙を剥く。
「飲めば呪いは発動する。だが怨みが正当じゃない場合、或いは嘘があったなら――呪いはたちまちあんたに返る。それでいいなら、飲みな」
ひとりは救いを与え、
ひとりは罰を下す。
どちらも人の世を離れなが
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!今生を生き抜いて行く為の聖書
!!!。作者の美しいセンスが溢れているこの作品、若きし日の頃、松本清張氏の書籍に出会い大ファンだった私ですが、それ以来、何十年か振りに心をグッと掴まれた作者に出会えました。タイトル、プロローグからは美しくファンタジーな赴きに老若男女誰しも入り込み易い世界を醸し出しその実、物語の軸に近づいていくとこの世に生を受けたなら否応なしに社会に飲み込まれていく…この現実社会が繊細に描き込まれている…驚きを隠せなかった。私はもう、年輩者であるが、ファンタジーだけの世界感の書籍にも魅力を感じつつ、やはりこの作品の真に迫る世の歪み~社会問題には昭和から令和にかけて生き抜いてきた私は胸が突き動かされる。作者は胸…続きを読む