ナギサとオリヴィア

　世界に魔法と知恵をもたらした神の一族――その末席に籍を置くオリヴィアは特段秀でた才能のない「普通」の少女。神の血を引きながらも「普通である」ことを母に責められ、父親が失踪した家で毎日息の詰まるような生活をしていた。
　ある日、「とある事件」を起こした問題児、ナギサが家にやってくる。「事件」を起こした罰である島流し先として、年の近い遠縁の娘であるオリヴィアの家へ送られてきたのだ。
　ナギサは女神の娘であり、「造形魔法」という魔法を使いこなす才女だ。オリヴィアの母親はナギサに夢中になり、オリヴィアはますます肩身が狭い思いをする羽目になった。

「……最悪」

　オリヴィアにとっては最悪の出会い。しかし、ひょんなことからナギサの「ある事情」を知ったオリヴィアは――……

「無いなら探し行けば良い…続きを読む