第5話 2度目の国際恋愛〜歳上のタイ人・ラスト~

ある日、オーさんの家にサイピンさんが遊びに来た。


僕とオーさんはサイピンさんの前でいちゃつくことはなかったが、何故かその日はオーさんが僕の太ももに頭を乗せて寝っ転がっていた。


女性経験の乏しかった僕のあそこは硬直していた。


僕のあそこに視線をむけたサイピンさんは、ドン引きした顔でオーさんにタイ語で言った。


「こいつのちんこ勃ってるからどいてあげな(僕の予想)」


するとオーさんは?とした表情で頭をどかし、僕のあそこをまじまじと見た。


僕は恥ずかしさ以上にサイピンさんのドン引きした顔が恐ろしかった。


挙句、


「この童貞が」と言われた。


オーさんは何事もなかったかのように平然としていたが、しばらく僕に顔を合わせなかった。


違和感はこの時から始まったのだった。


その日、サイピンさんが帰った後、僕の家にオーさんと共に向かった。


そしていつものように泊まっていった。


いつも泊まってくれるのだが、いかんせんセックスがない。


僕はまだかまだかと3ヶ月待っていたのだが、キス以上がなかった。


そこで僕からセックスしたいと誘ったのだが反応がイマイチだった。


僕が拗ねて横で寝ていると、彼女の手が僕の手に来て、僕の手を彼女の小ぶりな胸に押し付けた。


これはオッケーの合図…?と疑問に思いつつ、少し揉んでみる。


柔らかい。


オーさんは嫌がる様子もなく、むしろ僕のあそこを触ってきた。


オッケーかと思い、ブラを脱がそうとするも、うまくいかない。


うーん、困った。


「その姿勢だととれないんだけど」


と呟くも無視された。


これはダメな合図か…とがっかりして触るのをやめ、寝ることにした。


すると彼女がため息しながら僕のズボンを勢いよく脱がした。


僕の硬くなったあそこを見るやいなや


「オーマイガ…。なにこのサイズ…。大きすぎ!」


と言いながら大きなため息をついた。


いつも明るくお調子者のオーさんが僕に見せる初めての苛立ちだった。


僕は困惑した。


困惑する僕をよそに嫌々とフェラをしてくれた。


初めてされるオーさんのフェラに気持ちよさを覚え始めたころ、オーさんは


「疲れた」


と言って寝てしまった。


僕は困惑しながら謝りつつ、僕も寝ることにした。


次の日、オーさんは会話をすることもなくさっさと僕はの家を後にした。


それっきりだった。


突然メッセージを送っても返事が来なくなり、事務所でも僕のデスクに遊びに来てくれるわけでもなかった。


僕は2人きりの時に


「僕に飽きたのかな?僕はまだ好きだから良ければ何が問題だったのか教えて欲しい」


と単刀直入に聞いてみた。


すると、


「サンキューねー。でも、私はもうこの関係を終わりにしたい」


ハッキリ言われた。


ショックだった。


ショックすぎてその日はやけ酒をした。


普段あまり飲まないのに赤ワインを一本飲み干して、大泣きしながら日本の友達に愚痴った。


寝れなかった。


泣きすぎて辛すぎて、時間を忘れた。


気づいたら吐いていた。


飲みすぎた。


急性アルコール中毒で死ぬかも


泣きながらそんなことを思っていると意識が飛んだ。


次の日、目が覚めると頭がガンガンと痛み、部屋は散らかっていた。


生きてた…。生きてたけど、死にたい…。


なんで嫌われたのかわからない。


セックス早すぎた?僕のサイズの問題?わからない。


わからないけど知りたい。


理由を知りたい。


なんで?何がダメだったの?


ずっと仲良くしてたじゃん!!


そう思ってFacebookを開くとブロックされていた。


ああ、本当に終わったのか…。

なんだか付き合っていた感じがしなかったな。


毎日朝から晩まで、仕事中でもメッセージして、昼と夜はほぼ毎日一緒に食べた。


でもデートは人に見られるからと断られ続けた。


セックスもなし。


一体この3ヶ月、なんだったのか。。。


それから少し時が経って、元気のない僕をサイピンさんが気にかけてくれていることに僕は気づいた。


オーさんに代わって、お昼をよく誘ってくれるようになった。


なんとなくサイピンさんは気づいていたのかもしれない。


サイピンさんがオーさんが2ヶ月くらい前から別の会社の男性と度々デートしていたことを教えてくれた。


ちょうど僕達が別れた1ヶ月くらいまえからのようだった。


そして、彼とオーさんの2人がデートしている写真も見せてくれた。


ほぼ毎日僕といたのに、どういうことだろうと一瞬疑問に思ったものの、何となく思い当たる節があった。


週に1-2回、夜以外全く連絡がとれないことが何度かあった。


事務所にもいなかった。


出張と聞いていたのに有休を使って平日彼の休みの日に合わせてデートしていたのだ。



サイピンさん曰く、オーさんは結婚に焦っていた。


10代の時からやんちゃで男を取っ替え引っ替えしていた。


何度も結婚の話が出たのだが、その度にフラれていたらしい。


いい加減落ち着きたいオーさんに僕は恋をしたらしい。


そこまで聞いて、僕がフラれた理由が何となくわかった。


まだ女性経験が少なく、歳もひと回り離れている。

外国人で数ヶ月後には帰国してしまうため、不安定な遠距離になる。

経済的余裕もないし、これから色々やりたいと思っていたのは事実。


それでも寂しさを埋めるため僕と遊んでいたわけだ。


本当は、恋人というか姉と弟のような関係でいたかったのかもしれない。


そう思うと納得した。


とはいえ、そう簡単に振り切れるものではなかった。


他の男とデートしていたことは許せなかったし、僕では駄目な理由、きちんと言って欲しかった。


結局オーさんとは仕事以外で話をしなくなった。


いつもお祝い事やお別れ会には参加するオーさんが、僕のお別れ会や空港への見送りには来てくれなかった。


来てくれたら、お幸せにと言いたかった。


僕が帰国して1ヶ月が経ったころ、サイピンさんがFacebookに大きなお腹のオーさんの写真を共有していた。


こうして僕の2度目の国際恋愛は終わった。

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