第18話 国際恋愛〜セレブなロシア人〜

社会人2年目に入った僕は、彼女が欲しいという想いは叶わず、依然としてデートだけで終わっていた。


マッチングアプリで出会う女性の数もなぜか減少してなかなか機会を見出せないでいた。


2年目と半年が経った頃、イギリスで一緒に勉強していたトルコ人に子供が生まれたから遊びに来てと言われ、僕はトルコに飛んだ。


友人は美人でいい人だったから、この人が人妻かと思うと少し辛かった。


ついでといってはなんだが、トルコでもTinderを活用した。


友人のお祝いをした後にイタリアへ留学中の19歳の中国人女性と同い年で背の高そうな美人なトルコ人女性と仲良くなった。


中国人女性はトルコへ遊びに来ていてトルコを知り尽くした様子だった。


暇だからということで度々ご飯やお茶に誘われて付き合ったが、ベビースモーカーだったため、途中から僕はお断りするようになった。


彼女は英語も上手でタトゥーも入れていて、結構色んな男と遊んでいる様子でなんだか中国人らしくない人だった。


友達としている分には楽しそうではあった。


トルコ人女性は地方に住んでおり、マッチした時はたまたま近くまで来ていたらしい。


トルコの地方のことを教えてもらったり、インスタを交換して色々やり取りが続いたが、会う機会はなかった。


今でもインスタ上で交流のある人だ。


この時は別にデートが目的でトルコに行ったわけではなかったため、あまりがつがつとTinderは使わず、新しい出会いは早々に諦めた。


1人で一眼レフをぶら下げて観光していると、金髪で背の高い綺麗なスラブ系の女性が写真を撮って欲しいとお願いしてきた。


僕は快諾して彼女のカメラで写真を撮ってあげた。


結構気に入ってくれた様子に満足した僕はまたねと言ってその場を去った。


ただ、あれだけ綺麗な人が1人で観光するかなと少し疑問に思って遠くから彼女のことを観察してみた。


しかし、彼女はスマホで自撮りをするかカメラで風景を撮るかばかりで周りに誰もいる様子がなかった。


男も女友達もいないとは珍しいなと思いつつ、僕は観光を続けた。


観光名所を回っていると別の場所で再び彼女が自撮りをしているところを見かけた。


「また写真撮りましょうか?」


と声をかけると相手も僕のことを思い出した様子で返事をした。


「さっきの方ね!そうね、またお願いしようかしら」


何枚か写真を撮ってあげると満足そうにしていた。


「1人?観光?」と聞くとそうだと答えた。


とにかく僕好みの女性だった。


背は僕より高く170センチいくかいかないかというところだろう。


ブロンドで目は少しとがっていてクールだった。


そして胸が大きい。


多分今までで会った女性の中で2番目に大きい。


決して身体が全体的に大きいわけではなく、ああいう体型をグラマラスとでもいうのだろうか。


胸に山がある感じがとても好きだった。


英語はとても訛りが強く、難しい単語は理解していなかったが基本的な会話は問題なくできていた。


ブランド品を身につけていたことから多分お金好き。


そこだけが少し気がかりではあったが、思い切ってアタックしてみることにした。


「あなたのような美女が1人なんて信じられない。僕も1人で観光してるからよかったら一緒に回らない?見ての通り僕は写真が好き。僕のモデルになってくれたらうれしいな。」


すると彼女は笑みを浮かべながら


「いいわよ、でもインスタ用に良い写真を撮ってね。あなたのカメラでもいいけど…私ので撮ってくれる?」


「もちろん!データ共有めんどくさいもんね!」


ついでに僕たちは自己紹介をした。


彼女はソフィア。ロシア出身とのことだった。


「私日本人に会うのは初めて」というので日本の話もしながら会話はよく弾んだ。


2人で色々と写真を撮ってまわり、休憩がてらカフェに入った。


僕たちはインスタを交換した。


僕のインスタに載せていた写真をソフィアは誉めてくれた。


また、僕が撮影したばかりのソフィアの写真も気に入ってくれた。


僕はそのまま夜ご飯に誘うとソフィアのお気に入りのレストランがあるということでそこに行くことにした。


ソフィアのいうレストランはなかなか良い値段のする店だった。


さすがだなあ、と思いつつさらに深い話をするようにした。


するとソフィアは数年付き合っていた彼氏が浮気していたことが発覚し、怒って飛び出してきたということを話した。


「こんな美人の彼女を裏切る人がいるの!?」


と驚いてみた。


彼女は綺麗な笑顔で微笑んだ。


僕はひょっとしてチャンスがあるかもしれないと思い、思い切って好意があることを示すことにした。


僕のはことあるごとに、とにかくきれいだとほめまくった。


自動ドアでなければ率先してドアを開けて、トイレから戻ってきた彼女のために椅子をひいた。


レストランではもちろんごちそうした。


2人でタクシーに乗って宿に戻った。


親戚がトルコにいると話していたため、ひょっとして親戚の家に寝泊まりしているのかと思いきや親戚の家に泊まるスペースはなく、ホテルに泊まっており、親戚は仕事中なため観光をしていたそうだ。


ソフィアの泊まっていたホテルは高級感あふれるホテルだった。


その日はそのまま解散したのだが、僕はソフィアから何か連絡が来ないかとそわそわしていた。


が、翌日になっても何も連絡が来なかった。


仕方なく、こちらから連絡してみた。


するとこれから買い物に出かけるから一緒に行くかと聞かれ、僕はソフィアのホテルに向かった。


ソフィアの洋服選びを手伝ったり、買うか迷っていた服を僕が購入してプレゼントもした。


荷物は当然僕が持った。


ソフィアのホテルまで再びタクシーで戻ると荷物運びをしていた僕をホテルに招き入れてくれた。


ソフィアの泊まっていた部屋は特別豪華なものではなかったもののやはり広くてきれいだった。


自分の持ってきたドレスもあけて、新しく買った服と比較しながら僕にどれがいいかと聞いてきた。


僕が個人的な好みのドレスを選ぶと、


「じゃあ、着替えるね」


と言うので、僕は部屋を出てソフィアを待った。


しばらく待って、ソフィアがドレスに身をまとって外に出てきた。


「やばい、きれいすぎる」


感動しているとにソフィアは嬉しそうににやけながら、食事に行こうと誘ってくれた。


少し値の張るレストランで夕食をとって、今度はバーに行こうというのでバーに行った。


どこに行くにもおしゃれなお店ばかりだった。


話を聞いているとソフィアは浮気した彼氏のカードを使って飛行機のチケットもホテルも払ったようだった。


なるほど、この人は怒らせると怖そうだなと思った。


僕はもともとロシア語圏に興味があった。


ロシアといえば美女というイメージが強かったからだ。


そのおかげもあって、ロシアの話も色々聞いて話は弾んだ。


日本のこともかなり聞かれた。


「日本人は真面目だけど浮気とかするの?」


「男も女もする人はするけどみんながみんなするわけではないよ」


「あなたは優しそうだからしなさそうね」


そう言われて僕は照れた。


「あなたも綺麗な顔をしているわ。きっとモテるんでしょ」


「いや、僕は背が低いからさ、全然だよ」


「私は身長なんて気にしないけどなあ」


そんなことを話して、再びタクシーで帰った。


ソフィアのホテルに着いてもソフィアは会話を止めなかった。


だから僕はそのままソフィアと並んでホテルに入って、2人でエレベーターを待った。


『僕はどのタイミングで帰ればいいんだろう』


エレベーターのドアが開いてもソフィアは足を動かさなかった。


僕はどうしようかなと悩んでいた。


すると「どうしたい?」と聞いてきた。


「なにが?」と返すと、


「まだ一緒にいたい?」と聞かれ、僕はすぐに「もちろん」と答えた。


「じゃあ最初からそう言ってよ」


「そうね…」


僕たちは一緒にエレベーターに乗って彼女の部屋へ向かった。


部屋に入るとさっそくドレスを脱ぐのを手伝ってほしいと言われて、手伝った。


僕は緊張していたため指が少し震えていたのを覚えてる。


この展開にまさか本当になるとは思ってもいなかったからだ。


ちなみに僕は旅行をするとき、必ず貴重品はスーツケースに入れっぱなしにする。


財布も使わず、最低限の現金とカード1枚しか持たない。


とはいえ、カードを持っている以上、お金を盗まれないかと一応警戒もしていたのだが、そんなことはソフィアの大きな胸を見てどうでもよくなった。


手を大きく開いて揉んでも全く手に収まらず、重みで垂れてしまうほどの大きさはカナダ人以来だったから興奮した。


僕が胸フェチだと気付いたソフィアは僕がしばらく胸を揉み続けたり、乳首を吸うことを許してくれた。


僕はいつも通り秒でイッテしまったと思うが、ソフィアは気にせずセックスを続けた。


また、ソフィアは僕のアソコのサイズについて何も言及しなかった数少ない女性の1人だった。


それらがすごく嬉しかった。


途中シャワー休憩をはさむこともなかった。


僕が外で出すとすかさずティッシュをとってくれて拭いたらそのまま続けようとした。


だから僕はひたすら腰を動かし、時々ソフィアが僕の上に乗ってソフィアが腰を動かした。


僕が攻めの時は外に出したものだが、ソフィアが攻めの時は僕が出ると言っても無視してそのままソフィアが満足いくまで腰を動かし続けた。


止まらないソフィアとの熱い時間。


久しぶりに激しいセックスだった。


気が付いたら僕たちは寝落ちしていて、起きたら早朝だった。


僕はシャワーを浴びて、自分のホテルに朝食をとりに帰った。


帰る時「またここに来るでしょ?」と甘い表情で言われて僕はもちろんと答えた。


僕は朝食をとった後、ドラッグストアやスーパーでコンドームを探した。


しかし、なかなか見つけられず、ソフィアを待たせるわけにはいかないと思って、コンドームを入手できないままソフィアのホテルに戻った。


「遅かったね。なにしてたの?」と聞かれたのでありのままのことを説明したが、「そんなことしなくていいのに。中に出さなければいいよ。」と冷たく返された。


外国人と寝る時のゴムなし率の高さには既に慣れていたものの、やはり性病や中に出さなくても妊娠は後からすごく不安になる。その不安感は決して消えなかった。


ソフィアは僕と仲良くなるにつれて日本に興味を持つようになっていた。


「いつか遊びに行きたい」と言うので色々とおすすめの場所を紹介した。


僕たちは観光やご飯を一緒に楽しんで、ソフィアの部屋に戻るといったことを僕の残りの滞在期間中に繰り返した。


「いっそこっちのホテルに移れば?」と聞かれたが、値段を考えると僕は正式には泊まれなかった。


また、連日のようにソフィアの部屋で寝てしまうとホテルに何を言われるかわからなかったため、僕はセックスをしたら深夜でも自分のホテルに戻ることにした。


ソフィアは僕とのセックスを終えると、僕とのツーショット写真を撮ってこう言った。


「この写真をインスタにあげるの。元カレが見るだろうから見せつけてやる!」


ますます恐ろしい人だなと思った。


僕が日本に帰国した後もソフィアとの連絡は数か月続いた。


週に1回はビデオコールするほどだった。


あれが付き合っている状態だったのかはよくわからない。


でも僕は事あるごとに綺麗だよと伝えた。


ソフィアは日本旅行を真剣に考えていてくれていて、色々と計画案を出してくれた。


「私が日本に行ったら一緒に旅行するでしょ?」


「うーん、仕事毎日は休めないから数日なら・・・」


「なにそれ、私より仕事が大事なの?」


こんなやりとりをしてソフィアを怒らせてしまった。


我ながらバカなことを言ったと反省しているが、当時は既にトルコ旅行で休みすぎていたため本当にソフィアとの日本旅行は難しかった。


それ以来、少しずつ連絡する頻度が減っていって、半年後には連絡をとりあわなくなった。


しかし、コロナ前にソフィアがスラブ系の男性と一緒に日本を旅行している写真をインスタにあげていた。


きっとこれも僕への当てつけだったのだろうと思うとなかなか恐ろしい。

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