第17話 国際デート5 韓国人再チャレンジ

日本に戻って仕事を始めたばかりの僕は、新しい生活になれることに必死だった。


特に社会人になってから友達をどうつくるのかよくわからず、困っていた。


数少ない同期の女性は婚約者がいたり、きれいな先輩女性は彼氏がいたり・・・


正直社内恋愛や同業者との恋愛にあこがれていた部分もあり、実際には全くと言っていいほど恋愛できる雰囲気になく、少しがっかりしていた。


海外出張に簡単に行けるわけでもなく、せっかく世界で働く機会のある会社に入ったにもかかわらず、日々慣れない業務に追われるばかりだった。


仕事が少しできるようになった半年後くらいから、Tinderや国産のマッチングアプリを使って日本国内でデートする余裕ができた。


また、アプリを使わないと出会いがない状況に焦っていた。


この時は不思議なほど外国人女性とうまくマッチしなかった。


何とかマッチしてもチャット上では仲良くなったものの、いざ会うまでには発展させることもできなかった。


しばらく複数の日本人女性とデータをしたり、クラブに行って外国人との出会いをつくったり、スタンディングバーに友人と行くこともあった。


スタンディングバーでは、僕は完全に透明人間だった。


身長が低いため、見た目からして僕は多くの日本人女性のれない対象から真っ先に外されたんだと思う。


クラブでは、アジア系カナダ人と仲良くなるも、連絡先を交換するには至らず、他にもなぜかインド人の男性と酒を飲むなど空回りもいいところだった。


アプリでは身長が低いことを記載していても第一印象には影響が薄かったのだろう、それなりの数の女性と出会い、デートもした。


しかし、どうも正式交際にまでは発展せず、どうしたものかと頭を抱えていた。


そこで僕はTinderの位置変更機能を使って、遠距離恋愛を考えた。


真っ先に頭によぎったのは韓国だった。


韓国人の元カノがいたことは、これまで興味のなかった韓国に興味を抱くきっかけとなっていた。


出張や休日出勤のおかげで代休をまとめてとることが許された僕は、1週間ほど韓国旅行に行く計画も立てた。


現地での短い滞在時間を有効活用するため、早速日本からTinderで韓国にいる女性をスワイプした。


正直なところ、あまりマッチしなかった。


アメリカじゃないんだからマッチするだろうと思っていたものの、韓国語ができない僕は多分恋愛対象にならないのだろうと推測した。


とはいえ、何とか渡航前に数人の女性とマッチして、2人の女性と会う約束までとりつけることができた。


1人は韓国に留学していた日本人だった。


顔写真がなくプロフィール文も最低限。


まあ、どうせ暇になるし、話し相手になればいいなと思って会う約束をした。


もう1人は10歳年上の韓国人女性だった。


なんとなく最初の彼女、タイ人のオーさんを思い出すような顔つきだ。


日本に留学経験があるようで、日本語が堪能だった。


韓国についてもTinderで会えそうな人を探したものの、最後まで会う約束にこぎつくことができたのはこの2人だけだった。


僕は学生時代に貯めたポイントも活用して初めて5つ星ホテルに泊まった。


この時の旅のスタイルはかつてのバックパックスタイルではなく、上級の旅行者とでもいおうか、ひと味違う旅のスタイルだった。


ホテルはビジネスマンや老夫婦が主な客層で、1人で泊まっている若者は僕くらいだろうと陽気になっていた。


さて、着いて早々日本人留学生と会うことにした。


彼女とは、やはり食事を一緒にするだけで終わった。


意外にも周りに日本人留学生が少なく、日本語を話すことに飢えていたため、僕と会ったということだった。


話は面白かったものの、一期一会な出会いと言った感じで、それっきりだった。


10歳離れた韓国人女性、リさんはその次の日に会うことになっていた。


リさんの仕事が終わった後、ホテルのロビーで会った。


「写真より若い!」と驚きながら僕に声をかけてきた。


リさんは写真より少し老けていた・・・。


でもやっぱりオーさんを思い出させるような雰囲気で、かわいらしくて明るい女性だった。


身長は僕より背が高くて、年齢も上。


リさんは僕たちは親子に見られるんじゃないかと散々言っていた。


彼女のお気に入りの韓国料理屋さんでお互いのことを話した。


ことあるごとに若すぎると言うものだから恋愛にも発展しないだろうと思った。


リさんは日本で仕事をしていたこともあったようで、その時に出会った韓国人と結婚もしたが、すぐに離婚したらしい。


その後日本人としばらく付き合っていたが最近別れたのだとか。


僕に会ったのはたまたまで、年齢も見ずにスワイプしてたらマッチして、僕はから連絡が来て驚いたのだとか。


若すぎるから会うか迷ったが、初めての観光で来るなら楽しんでもらいたいと会うことにしてくれたらしい。


一方の僕は、韓国人の元カノの作ってくれた韓国料理が美味しすぎて忘れられないから韓国に来ただとか、歳上ばかりと付き合ってきたから歳上好きだとか、そんなようなことを話した。


やっぱりこの感じだと何も起きないだろうと思いながら食事を終えて解散した。


まだあと5日もあるから、その間にまた誰かと会えることを願いながらも驚くほどマッチしなかった。


せっかくマッチしても韓国語で連絡が来てお手上げ。


こんなことなら東南アジアに行けばよかったと後悔していたところ、リさんから今後の予定を聞かれた。


気にかけてくれるなんて優しい人だなと思いながら観光のアドバイスをもらうと、明日も夜ご飯一緒に食べるかと声をかけてくれた。


特に他に会える人もいなかったため、3日目の夜もご飯を共にした。


リさんとは韓国と日本のことをよく話したと思う。


韓国で整形が人気な理由とか食事の違いとかそんなこと。


また、マッチングアプリで韓国人女性とマッチしない理由は言語的な理由だったり、そもそも女性はあまり真剣に使ってないのではないかとのことだった。


リさんからは、何で歳上女性が好きなのかひたすら聞かれた。


たまたまこれまでお付き合いした人達が皆歳上だったからと説明しても、なんで?と返されるばかりだった。


何でかと聞かれて困りながら少し考えると、歳上の方がリードしてくれるしセックスが上手な気がするからだという結論になったが、簡単に言えるはずもなかった。


とはいえ、しつこいので躊躇いながらもセックスが上手い気がするし、僕は受け身だからと答えた。


しかし、「でもやっぱり若い子の方が綺麗だし興奮するでしょ」と言われ、たしかになあと自分でも結局何で歳上が好きなのか分からなくなった。


そのあと別の日にまたリさんからご飯に誘われた。


僕は観光はほどほどに、ホテルでくつろぐことの方が多かったことや1人でレストランに入る勇気がないことからこのお誘いには大変助けられた。



リさんとご飯を食べていると


「ねえ、何で歳上が好きって言ってるのに私のことは口説いてこないの?」


と聞いてきた。


ん?なんかそういう雰囲気になってたっけ?と困惑しながら、


「歳が離れすぎてて嫌そうだったじゃん」


と返すと


「本当に嫌だったら何度も私から誘わない」


と言われてごもっともだと思った。


とはいえ、それは彼女の気遣いだと思っていたため、口説くことなど考えていなかった。


「あなた色んな国の人と経験あるみたいだから、普通の日本人より積極的かと思った」


などと文句を言われはじめた。


挙げ句の果てに呆れられて不機嫌になる始末。


どうしたものかと思いつつ、とりあえずこれまで食事に誘ってくれたことに感謝して落ち着かせた。


『これはひょっとしていけるのか…?』と思った僕はなんか適当にリさんのことを褒めた。


明らかに適当に言っていることはバレていたものの、それで今日はこの後どうするの?という雰囲気になったので、僕のホテルへ誘ってみた。


「本当は私のこと興味ないんでしょ」と文句を言いつつも、2人でタクシーに乗って僕のホテルへ向かった。


ところがホテルに入って僕の部屋に向かっている道中では、


「若いからエネルギーがたくさんあるでしょ」


とゲラゲラ笑って何とも楽しそうだった。


なんだかんだ僕のことを気に入ってくれていたのか単に欲が高まっていたのかはよくわからない。


僕としては元カノに似ている彼女のことはアプリでマッチしてから何となく気にはなっていたため、嬉しかったし、もしかしたら付き合う方向に進むかなと期待もしていた。


部屋に入っていざやろうと僕は戦闘体制に入った。


フェラか手コキをしてくれようとしたのだろう。リさんが僕の股間に目をやった。


すると「なにこれ…。人間じゃない!」と僕の下半身を見てかなり驚いた様子だった。


僕はリさんの冗談だと思って笑ったのだが、彼女はかなり真剣に驚いた様子だった。


すると急に大きなため息をつきながら不機嫌になった。


僕は困惑した。


『え?なに?なんか怒ってる?』


しどろもどろしてるとリさんはフェラをしてくれたのだが、かなり雑で気持ち良くも何ともなかった。


僕は受け身だと食事の場で話していたので、リさんが僕の上に乗った。


コンドームあるよと言ったのだが無視されつつ、騎乗位が始まった。


前戯とかもほとんどなく、あっという間に挿入タイムとなった。


腰を振るリさんは痛いのか不満なのか眉間にシワを寄せていた。


僕がいきそうになって伝えるとすぐに降りて手でフィニッシュさせられた。



呆気に取られているとリさんはそそくさとシャワーを浴びて服を着て荷物をまとめたと思ったら何も言わずに出て行ってしまった。


人間じゃないと発してからリさんは一言も話さないほど不機嫌になっていた。


僕は状況が全く理解できなかった。


でも僕の股間を見てから急に態度が変わったのだから僕のサイズが気に食わなかったのだろうと推測せざるを得なかった。


今まで驚かれることはあってもこれ程あからさまにひかれることはなかった。


僕はこの時のショックでしばらく勃ちが悪くなってしまったほどだ。


一応メッセージを送ってフォローをしたのだが、返事はなく、Tinderでのマッチすら解除された。


僕はナンパ師ではないので、ヤル必要はない。


むしろ彼女や友達をつくることが目的。


こんなことになるならホテルに誘うことはなかった。


国際恋愛の中で1番納得のいかないデートであった。


韓国旅行そのものは、最終日に出会ったタクシーのおじちゃんがものすごく優しくてほっこりしたから結果オーライではあった。


タクシーのおじちゃんに感謝。


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