第16話 国際デート4~コロンビア人~
留学を終えて、キムと遠距離恋愛の末、別れた後、僕は就職活動にはげんでいた。
無事に就職先が決まり、僕はメキシコからカナダまで縦断する旅に出た。
メキシコでは、既に紹介したように、あまり良い女性と出会えなかった。
親をデートに連れてきた大きな女性、何度も会おうと誘ってきてくれた割には、結局一度たりとも会わなかった女性、会う約束をしたのに当日すっぽかされる等、散々であった。
しかし、アメリカでは出会いがあった。
アメリカには同じ大学に通っていたアメリカ人の友人とその彼氏に会いに行った。
友人は友達とのパーティーがあると言って、僕をそのパーティーに誘ってくれた。
パーティーにはたくさんのきれいな人、かっこいい人がいて、人見知りの激しい僕には少々きつかった。
友人が気にかけて色々な人を紹介してくれたのだが、まったく輪に入ることができなかった。
1人でちびちびと飲み物を飲んでいると、1人のコロンビア出身の女性が話しかけてきた。
彼女の名前はカタリーナ。少し肌が黒っぽく、髪の毛は金に染めていた。
背は僕と同じくらいで、体型は普通だった。
大きな目がかわいらしい、同い年くらいの女性だ。
自己紹介を交わすと「私の名前、素敵でしょう?」と自信気たっぷりに言ってきた。
そうだねと適当に返すと、彼女はどこかへ行ってしまった。
すると今度は男の人が話しかけてきた。
「あれは、彼女なりの君へのお誘いだよ」と言うので、いったいどこ辺りが誘い文句なのだろうと僕は理解に苦しんだ。
しかし、お誘いと言われると気になるもので、僕はカタリーナを目で追って探した。
結局その日はカタリーナと再び会うことはなかった。
誰と仲良くなるわけでもなく、僕の宿泊していたホテルと同じ方向の人たちのグループに誘われて、彼らの運転でホテルに戻った。
数日後、僕の友人とその彼氏がご飯に誘ってくれたため、食事をいただいた。
その時、カタリーナのことを聞いてみた。
すると友人が知っているとのことだったので、Facebookでつないでもらった。
僕が勇気を出してメッセージを送ったところ、カタリーナから返事が来て、レストランで会うことになった。
カタリーナははきはきした態度で良くしゃべる子だった。
僕は会話の内容のほとんどを覚えていないが、ただただ彼女が話しているのを聞くばかりだった。
しばらく僕は話を聞くだけだったのだが、
「ねえ、あなた私をデートに誘ったっていうことは私のこと気になっているんでしょ?なんでもっと質問しないの?」
と唐突に聞かれることもあった。
僕は確かに気になったが、気になった理由は、他の人にカタリーナが僕を誘っている教えられたから気になったのであって、それ以上の深い理由はなかった。
だから僕は返答に困った。
返答に困りつつ、なんか適当な質問をして乗り切っていたと思う。
カタリーナはかわいらしい女性だったが、あまりにもおしゃべりすぎて、僕は少し引いていた。
最初のデートでは失敗だと思った。
僕はろくに話せないし、カタリーナはしゃべりっぱなし。
これは次はないなと思った。
しかし、意外にもカタリーナはその時の食事が楽しかったようだった。
「なんで連絡してこないの?もう会いたくない?」
と単刀直入に聞かれたので、
「いや、会いたいけど僕が話さな過ぎて嫌われたかなと思った」
と返事をすると
「嫌われたと思ったらもうあきらめるの?」
と言われ、うっっ・・・となった。
しぶしぶ「じゃあ、もう一度会いませんか?」とメッセージを投げかけてみると即OKが出たのでこの世はわからないものである。
2回目は違うレストランに行った。
カタリーナが行きたいといった場所だ。
まあまあいい値段する店ではあったが、かっこつけて御馳走することにした。
その日も僕はあまり話せなかったのだが、彼女は楽しかったようで、
「今日、この後うちに来る?」
と誘ってくれた。
メキシコから性欲が溜まりっぱなしで、誘いに乗らないわけはなかった。
カタリーナはアパートを他の人と一緒に借りていた。
リビングやトイレは共有スペースで、彼女のプライベート空間は狭い一室だけだった。
どこかの南アフリカ人たちを思い出させられた。
彼女の住むアパートに入ると、フラットメイトらしき女性に事情を話した後、僕を迎え入れてくれた。
アパートの中を案内してくれた後、少しお酒をいただいて、彼女の部屋でセックスを始めた。
カタリーナはかなり積極的で、身体の相性は良かった。
僕が服を脱ぐと真っ先に
「おっけー、、、これは大きいね…」
と大きな目をさらにまん丸くして笑顔で言った。
「アジア人はブロンドが好きでしょ?ほらブロンドだよ」
なんて染めた髪を見せびらかしながら、僕の興奮度を高める彼女がとても愛おしかった。
彼女は下の毛を処理していなかったため、黒い毛がうっすら見えた。
「地毛は黒でしょ」と突っ込みたかったのを僕はこらえた。
カタリーナは攻めるのが上手だった。
フェラはさほど気持ち良くなかったが、騎乗位ではあっという間に抜かれた。
あっという間にイッタものの、恥ずかしくてまだ出ていないふりをしたが、僕の性液がぼたぼたと落ちてきてバレた。
まだいけるでしょ?とまだ満たされないカタリーナは騎乗位を続けた。
意外にも、カタリーナも声はあまりあげなかった。
ベッドのきしむ音が部屋に響き渡っねいたため、同居人に聞こえないかハラハラしたほどだ。
その日を境に僕はホテルをキャンセルして、カタリーナの狭い部屋で2~3日一緒に過ごすことになった。
カタリーナは仕事をしていたため、日中は僕一人になることもあったが、カタリーナの帰りを待つため、アパートを降りて道路で待っていると、カタリーナが僕を見つけて走ってきてくれたのも良かった。
僕がカナダに行っても、恋人のごとく毎日連絡をくれた。
「カナダから日本に帰る前に、もう一度私と会わない?」と何度も誘ってくれたのだが、金銭的に厳しくて何度も謝った。
日本についてもカタリーナとはしばらく連絡が続いた。
次はいつくるのかと何度も聞かれた。
しかし、日本とアメリカの時差はなかなかきつく、1日に何通もやり取りをすることは難しかった。
他の遠距離恋愛で失敗したように、やはりカタリーナとのやりとりもいつの間にか終わってしまっていた。
僕が仕事を始めてから、アメリカの友人が彼氏と一緒に日本に遊びにきた。
ぼくは2人を観光案内していると一度だけカタリーナの話題になった。
カタリーナはアジア人が好みだったようで、ずっとアジア人との出会いを求めていた。
なかなか良い出会いがない中で、僕がわりとタイプの顔だったはしく、僕の友人にも相談がいっていたそうだ。
しかし、遠距離になってからカタリーナは遠距離では不満のようで、別の出会いを探しだしたようだった。
僕がその話を聞いた時、カタリーナにはおそらくデート相手がいた。
カタリーナの幸せを願う一方で、少し惜しい気もした。
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