第15話 国際デート3 ~南アフリカ人2人組~
僕がアグネスに振られ、キムのクリスマスパーティーに参加した後、冬は一層寒くなり、雪も降ってますます冬らしくなっていた。
寮の中にはほとんど人がおらず、もはや自分一人が住んでいるのではないかと錯覚するほどだった。
きれいな雪化粧と静寂な日々は僕の心をゆっくりと冷やしていった。
あまりにも暇だったため、僕はネットで日本の過去ドラマやアニメをあさっていたが、それも次第に飽きていった。
1人の時間がとにかく寂しかった。
僕はふとドイツ、ポーランドを旅することに決めた。
思い立ったが吉日。
すぐにドイツ行の航空券を手配して、安宿を予約した。
アグネスのいるドイツ、どんな感じだろう・・・。
アグネスには決して連絡をとらないと決めつつ、僕は1人お忍びでドイツへ向かった。
正直、アグネスがドイツのどの地域出身なのか全く覚えていなかった。
もし覚えていたら、なんだかんだ連絡してたかななんて思いながら、各都市を巡った。
年明けということもあってか、最初の数日は思っていたよりも観光客は多くなかった。
『運が良ければドミトリーで友達ができるかも・・・。いや、運が良ければ男女共同のドミトリーであんなことやこんなこと・・・///』
なんて考えていたものの、最初の数日はほとんど誰もドミトリーにおらず、一晩だけ韓国人の男子大学生2人組と話したこと以外は誰とも話さなかった。
期待していたムフフなことは、奇跡的に一度あったが、シャイな僕はそのチャンスを盛大に逃した。
早朝女性パックパッカーが1人でドミトリーに入ってきて、着替えを始めた。
僕は声で女性だと分かったうえ、僕は下の段のベッドにいたため、カーテンを開ければ着替えを拝むことができたのだが・・・。
女性が着替えを終えて僕がカーテンを開けると、女性は驚いていた。
その女性とはほとんど話すことなく、僕はその宿を出た。
次の目的地に到着すると、そこでの宿には結構な数の人がいた。
トルコ人、アルゼンチン人、ブラジル人、など。
ここで出会ったトルコ人のおじさんはおそらく同性愛者で、僕はかなり気に入られてしまった。いつかネタとして書けたらいいかなと思う。
もう一人、特に仲良くなったのはブラジル人のニコラスだ。
ニコラスは僕よりも2つ年上のお兄さんで、なかなかのイケメンだった。
背が高く、180センチ近くあっただろうか。
金髪で、ひげをうっすら伸ばしていた。
きれいな英語をしゃべる人だった。
ニコラスは僕と同じ部屋に泊まっており、よく2人で夜ご飯を食べた。
ある時、僕はアグネスとの失恋話をした。
するとニコラスは僕をクラブへ誘った。
クラブへ行ったことのなかった僕だったが、興味半分で行くことにした。
「女なんて山ほどいる。1人にふられたからなんだ。もっといい女を見つければいいだけだよ!」
といった感じで、僕の肩に手を置きながら、力強く僕をクラブへ連れて行ってくれた。
人はそれなりに多く、がんがんと聞きなれない音楽が鳴り響いていた。
ニコラスは周りの人を物色しながら
「どう?良さそうな子はいる?」
と聞いてきた。
大体みんなグループで固まっていた。
クラブ内にアジア人らしき人はあまり見つからなかった。
「暗いし、よくわかんないよ」
と照れながら返事をした。
しばらくするとニコラスは何か僕に言って人ごみの中に消えていった。
しばらく元いた場所で待っていたが戻ってくる気配がなく、心配していると、何やら視線を感じた。
斜め向かいにスラリと背の高い細身の黒人女性2人が僕を見ながら何か楽しそうに話していた。
僕は気づかないふりしてニコラスを待った。
少ししてから黒人女性2人が話しかけてきた。
「どこから来たの?一緒に踊る?」
すでに2人は酔っ払っている様子だった。
2人とも170cm近くあっただろうか。
赤い派手な口紅がよく目立った。
1人はアフロっぽい髪、もう1人はパーマかウィッグでもやっていたのだろうか、綺麗なストレートヘアだった。
ストレート髪の女性はパーマ髪の女性より少し背が低く、胸が大きく目立っていた。
アフロ髪の女性は対照的に胸が全くなかった。
ストレート髪の女性がパーマ髪の女性の肩に手を置いて言った。
「この子さっきからあなたのことキュートだキュートだって何度も言ってたのよ」
ゲラゲラと笑いながらアフロ髪の女性を僕に勧めてきた。
どちらかと言えば、胸の大きい女性の方が好みなのだが…。
なんて返答していいかわからないでいると、アフロ髪の女性が一緒に踊ろうと言って僕の手を引いた。
僕らは踊っている他の人たちの中に混じってテキトーに踊った。
僕の下半身は興奮してしまった。
ひょっとして今夜は何かあるかもしれない…と期待したからだと思う。
アフロ髪の女性は僕の頭を時々触りながら
「あなたのこの髪好きだわ〜」
と酔っ払いながら僕の耳元で言われた。
しばらく2人で踊っていると相手の方からキスをしてきた。
舌を絡めてだいぶ長いキスだったと思う。
しばらくキスをした後、もう我慢できないと言いながら僕の手を強く引っ張って歩き出した。
驚いた僕はどこに行くのかと聞いた。
彼女はセックスしようというだけで、特に場所については何も言わず、急に怖くなった。
クラブの外に出ると、私の家に行こうと言われた。
彼女は複数人でアパートを借りていた。
なんとなく古びた建物と内観。
リビングは散らかっており、あまり綺麗好きじゃない人たちが住んでいるのかなという印象だった。
何時くらいだったかは覚えていないが、人の気配はなかった。
玄関から激しいキスが始まって、その後は彼女の部屋で服を脱いだ。
案の定というか、かなり細身の体で胸はほとんどなかった。
そして明るい部屋でようやくまじまじと見えた彼女はだいぶ歳上な印象だった。年齢の推測は難しいが、20代ではなさそうだった。
彼女はバックが好きで脱いでそうそう四つん這いになった。
さあ、入れてと言わんばかりの体勢になんとなく気が引けた。
僕はなんといっても受け身。
どちらかというと責められるのが好きなうえ、これまでガツガツとアタックしてきたため、プレイスタイルの相性がいいと予想していたが、違って少しがっかりしたものだった。
初めて黒人とやるどころか、当時の僕はまだあまり経験はなかった。
緊張しながらもなんとか挿入すると異変にすぐに気づいた。
『あれ?やけにゆるいな』
彼女の中はガバガバだった。
普段秒でイク僕がこの時初めて長いこと腰を動かした。
そして初めてセックスで腰が疲れた日だった。
僕が終えると彼女も満足そうだった。
「私大きいの好きなのよね。あなたと10時間はセックスしたい。」
「10時間!?それは長すぎでしょ」
と僕は冗談かと思ってケラケラと笑ったが彼女はいたって真面目そうだった。
「あなた旅行者よね?」
「そうだよ。クラブでも話したと思うけど、明後日にはポーランドに行こうかなと思ってる」
「じゃあ、無理ね」
彼女は僕が笑った後は終始真顔であった。
酔いでも覚めたのかなと思いつつ、彼女はシャワーを浴びようと言って2人でシャワー室へ向かった。
シャワー室へはリビングを通った。
リビングには先ほどクラブで見かけたストレート髪の女性がスマホをいじっていた。
そういえばセックス中に物音がしたがこの人だったようだ。
僕たちに
「どう?うまくいってる?」とストレート髪の女性は聞いてきた。
アフロ髪の女性は
「最高!こいつのちんこでかくていい」
「ははは!それはよかったね!あんたは?この女のこと気に入った?」
「うん、積極的で好き」
「当たり前!嫌いとか言ったら許さないから!」
僕は内心ストレート髪の女性の方が興味があった。
ストレート髪の女性の方がいくらか若く見えた。
胸なし、かなり年上に見える点からアフロ髪の女性には興味があまりなかったが、テキトーにごまかした。
シャワー室はかなり狭かった。
僕たち2人は交代でシャワーを浴びて彼女のベッドで一緒に寝た。
目が覚めると昼過ぎだった。
アフロ髪の女性はなにやら誰かとビデオチャットしているようだったため、僕はリビングでくつろぐことにした。
リビングにはストレート髪の女性がいたため、彼女と話をした。
この時、クラブで聞いたものの忘れていた2人の名前を再確認した。
アフロ髪の女性はブレンダ。
ストレート髪の女性はメリー。
2人とも南アフリカからドイツに仕事できていた。
他のアフリカ出身者も同居していたようだが、その時はドイツにいなかったらしい。
メリーにブレンダは誰と話しているのか聞いたところ、ブレンダの娘であることがわかった。
「娘?既婚者なの!?」
僕は浮気相手にされた疑惑でびびっていた。
「違うの。別れたのよ、何年か前に。で、お金が必要だからこっちに来てるの。子供を親に預けてね。」
メリーはブレンダの事情を教えてくれた。
僕は出産経験者との経験はこれが初めてだった。
「こっちで男も探してるんだけど、なかなか良い人見つからないの。あなたのような旅行者じゃ長くも続かないだろうし。」
話をもう少し聞いてみると、どうやらメリーもブレンダと同じような事情を抱えているようだった。
すると今度は僕の恋愛話になったため、アグネスにふられたこと、1年以上お付き合いした彼女ができたことがないことなど僕の悩みを打ち明けた。
ブレンダは娘との連絡を終えてリビングにやってきた。
メリーはブレンダにこれまで話していた内容を共有したのだが、それが終わると2人は自分たちの言葉で会話をはじめ、僕はしばらく置き去りにされてしまったため、帰ることにした。
帰る時もわりとあっさりしていた。
なんとなく道を聞いて、念のため連絡先を交換して別れた。
宿に着くとニコラスが毛布にくるまって熟睡していたため、トルコ人など他の宿泊者と雑談した。
どうやらニコラスもクラブで相手となる女性を見つけて遊んでいたようだった。
その日の夜、気が付いたらブレンダから大量のメッセージが入っていた。
『今暇?』
『何してるの?』
『ご飯食べた?』
そして最後の方のメッセージには『また家来ない?』だった。
僕は散々迷った挙句、性欲に負けてブレンダの家に向かった。
まだそれほど遅い時間でもなかったため、行きやすかった。
ブレンダのアパートに着くと、さっそくブレンダがお出迎えしてくれた。
夜の彼女は酔っ払いだった。
昼間の真面目そうな彼女はどこへやら。
さっそく、彼女の部屋に移動し、バックで挿入。
何度やってもゆるゆるだった。
ブレンダはいつもやっている最中は静かだった。
息も上げず、叫ぶこともなかった。
ただ、「あー、あなたのちんこ好き」とは何度か言われたことは嬉しかったから覚えてる。
シャワーを浴びようと服を着ると、わざわざ服を着る必要はないということで、下着姿でリビングを通ってシャワー室へ向かった。
するとリビングにはメリーがいた。
まだ半勃起な状態だったから、僕のあそこのかたちが下着越しに見えていて、メリーの目線が僕の股間に行った後、にやりと笑われたのは恥ずかしかった。
シャワーをブレンダの後に入り、シャワー室からリビングへ向かうとブレンダとメリーが話していた。
するとブレンダがメリーのことをどう思うかと僕に聞いてきた。
僕は返答に困りつつ、いい人だと思うよ的な感じで適当に答えると、2人はけらけらと笑い出した。
なんのこっちゃと思いながら呆然と立っていると、
「メリーもあんたとやってみたいんだって!こいつもでかいちんこ好きだからさ」とブレンダは大笑いしながら言った。
メリーも大笑いしながら「言わなくていいよ、そんなこと!」とブレンダの暴走を止めようとしていた。
少し間を開けて、メリーが「でも疲れたでしょ?疲れているなら今の忘れて」と言ってきたので僕は「多分、大丈夫・・・」と答えると、2人とも大きく目と口を開けて笑った。
ブレンダが「じゃあ、行ってらっしゃい」と言って、メリーの部屋への移動を僕たちにせかし立てた。
メリーは少し恥ずかしそうに、でもきれいな笑顔で「行く?」といったような表情で僕をメリーの部屋に招き入れてくれた。
『どうせなら3Pがいいんだけど、恥ずかしくて言えないな』なんて思いながら、メリーの部屋に入った。
彼女の部屋はブレンダの部屋より質素だった。
メリーはブレンダと違って正常位で僕が挿入するのを待ったため、その流れに沿った。
ブレンダ同様、がばがばだった。
でも胸は少し大きい。そして肌がブレンダよりもなめらかできれいだった。
いつもは秒でイクのに、かなり時間がかかることはいいことなのか嫌な事なのかと悶々と考えながら腰を振った。
メリーもブレンダのように静かだった。
何の反応もなかったので、てっきり気持ちよくないのだと思ったのだが、なんとかフィニッシュまでもっていくと「たしかに大きいね」とにこやかに言ってくれた。
そこで僕は、「でも黒人の方が大きいんじゃないの?」と素朴な疑問を投げかけた。
「うーん、人によるかな。あなたのより大きい人とやったこともあるけど、この大きさは久しぶりかな。」
「結構いろんな人とやってるんだね。」
「いい男がいたら逃がさないわね。それに、付き合うにしても身体の相性が良くないとつまらないでしょ。いい男の見極めにもセックスは重要よ。」
メリーのセックス感は当時の僕に驚きを与えたが、一理あると納得もした。
メリーとそのまま寝るかブレンダの部屋に戻って寝るかと聞かれ、ブレンダの様子を見に行ったところ、ブレンダは既に寝ていたため、僕はメリーのベッドでメリーと寝た。
翌朝、僕が一番最初に起きた。
ゆっくりとメリーの部屋を出てリビングでくつろいでいると、ブレンダが目を覚ましてきた。
やはり夜とは違って大人しいブレンダ。
何事もなかったかのように言葉を交わしているとメリーも起きてきた。
メリーは少しうれしそうに「ブレンダ~、久々に気持ちいいセックスだったよ」と僕と2人の時に言わなかったことをブレンダに話した。
ブレンダはそれに対して「そうでしょ?そうでしょ?こいつのちんこ、私好きなんだよ」と嬉しそうに声を上げて言った。
その日は日曜日で、僕は移動することを考えていたが、心の中ではすでに予定をキャンセルしていた。
僕は勇気を振り絞って、ブレンダに対して「今日、10時間くらいやっちゃう?」と精一杯の笑顔を作りながら言ったのだが、少し間を開けてブレンダは「まあ、いいけど…」と何とも微妙そうな反応をした。
僕は慌てて旅程を変更したことを伝えて、もう少し一緒にいてもいい旨を話すと、しぶしぶ「じゃあ、おいで」とブレンダの部屋に招き入れてくれた。
僕はさらに勇気を振り絞って3Pをもちかけてみたが、通じなかったのかなんなのか、ブレンダもメリーもそれはないといった感じで、3Pの流れは作れなかった。
宿に宿泊延長のことを伝えた後、ブレンダと2人でやったのだが、僕は疲れもあってなかなかイカず、あまり気持ちよくなることもなく終わった。
ブレンダは「やっぱりね。別に無理してやらなくていいんだよ。メリーともやって疲れてるでしょ」と気にかけてくれた。
僕は勇気を振り絞って誘っただけに、結果としてグダグダで終わってしまって恥ずかしかった。
リビングに戻るとブレンダがメリーに対して「全然ダメ・・・」とこぼしていた。メリーは「えー、私まだできたのに」とニコニコ顔で僕の方を見た。
僕は「ごめん、疲れちゃったみたい」と言うと、「私の手コキで立たせてあげようか?私手コキ得意だよ〜」といたずらっぽく笑いながら言った。
僕はそうなのかーと少し冷静に返すと「まあ、気にしないで」と笑顔で言ってくれた。
次の日から2人は仕事があるということで、その夜はブレンダの家に泊まることなく、2人とお別れした。
2人に対して「いい人と出会えるといいね」というと「あなたもね」と言われた。
僕は宿に戻ってブレンダにお礼メッセージをしたが、返事が来ることはなかった。
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