第25話 国際デート10〜自由なスペイン人〜

スペイン旅行中、コロンビア人とも会ったのだが、ご飯に行った程度の記憶しかないため、連続でスペイン時女性とのデート体験記になる。


今回は前回のアダとはまた違う女性だ。


彼女の名前はマルティナ。


たしか当時28歳。


茶色っぽいセミロングのカール髪はアダと同じだが、薄いそばかすと少し細めの目が特徴的だった。


また、背は僕より少し高いくらいで、細身だが胸は大きめと僕好みの女性だった。


マルティナはアーティスト肌で沢山の写真をインスタに載せていた他、自分で描いたという絵をプロフィール写真にも載せていた。


マルティナと僕がマッチした理由は、僕のインスタ写真だった。


写真が共通趣味のマルティナは僕のインスタ写真を気に入ってくれていた。


「この写真を撮る人がどういう人なのか会ってみたかったの!」


僕らが待ち合わせ場所で会って真っ先に言われた言葉だ。


僕らはその後散歩をしたりコーヒーを飲んだりしながら互いのことを話した。


マルティナは大学を出てはいるが、アーティストの道を歩むべく、専門の学校だか大学だかに通っていた。


お互いどんな写真や絵が好きなのかを語り合っていく中でマルティナはさらに演劇や音楽など幅広いジャンルのアートが好きなのだと分かった。


アーティスト肌の女性とここまで話したことがなくてとても面白かったのだが、ちょうど課題提出締め切り前で忙しく、僕に会う時間も限られていた。


「明日14時頃、また会わない?これから課題終わらせれば、多分また会えると思う。」


「え!?いいの?会いたい!絶対会いたい!あなたに会いにスペインに来たようなものだし!課題終わらなければ明日の夜とかでもいいし!とにかく会おう!」


「ははは…多分大丈夫!夜は明日家族と食べるから昼間にしよう!時間があったら写真も撮りに行こう!」


こうして僕たちはまた昼に会うことにした。


僕はルンルン気分でその日は過ごした。


『こういう人だよ!こういう人と出会いたかった!あー、楽しみ。友達止まりでもいいからこの関係大切にしたい!』


しかし、翌日14時をすぎても一向にマルティナから連絡がなかった。


30分ほど待って電話もしてみたが、電話にも出なかった。


「忙しいかな?ごめんね、何度も連絡して。あなたのような素敵な人と是非もっと時間を過ごしたいから、もし今度時間があれば連絡してほしいな」


こんな感じのメッセージを送った僕はホテルに戻った。


『そううまくいくわけないよね。ここはスペインだよ。夜は家族と過ごすとか言ってたけど、本当は男友達とかだったりして。』


そんな風にネガティブなことを考えていた。


それから数時間、僕はまた別の人を探すかナタリーにとりあえず会うかとホテルで考えていた。


すると着信が入った。


マルティナだった。


「ごめんなさい、先生と話し込んでしまったの!今どこ?まだ会える?」


「そうだったのか!連絡なかったから心配したよ!課題よほど大変なんだなとか思ってた笑 今ホテルだよ。是非会いたい!多分マルティナに会わないで帰ると後悔する笑」


「笑 そうなのね、じゃあ少しだけ会いましょう!ホテルたしか私の学校から遠くないよね?ホテルで会いましょう!これから向かうわ」


「わかった、待ってる!嬉しい!ありがとう!」


すぐに来るかと思いきや結構な時間を待つことになった。


着信音が再び鳴ると



「今ホテルに着いた!」


僕は忙しいでロビーに向かった。


フロントには誰もいない。


すると、外か。


外に出るとタクシーが止まっていた。


タクシーを見つめていると、タクシーの中からおしゃれな服に纏ったマルティナが出てきた。


僕に気づくと足早に寄ってきた。


「あー!ごめんね!遅くなっちゃった!」


「全然大丈夫!大丈夫なんだけど、この後予定あるんでしょ?そっちは大丈夫?」


「あー、ここからだとまた反対側なんだよね。あんまり一緒にいられないや」


「あー、じゃあ、その辺にカフェがあったからそこ入る?」


「いや、ホテルでいいよ」


そう言いながら彼女は僕の手を引いた。


「あなたの部屋は何階?」


「え?ああ、2階だけど、僕の部屋でいいの?」


「それ以外行くところないじゃない」


僕はあまり気にせず、部屋に2人で入った。


ただ話すだけでもまあ、静かなところの方がいいか程度で考えていた。


しかし、部屋に入ると僕の方を振り返り、彼女の手が僕の両頬に触れたかと思うと、舌が僕の口の中に入ってきた。


どれくらいの時間が経っただろうか。


激しく動く彼女の舌に負けじと僕もやり返した。


ただ、気持ち良さは皆無で犬に舐められているようなスピードだけを重視したようなキスだった。


『う、嬉しいけど、舐められてる感がすごい。ていうか、長い。何でこんな長いの。』


急に興奮が高まったと思いきや、すぐに冷静にさせられるようなキスだった。


ようやく終わったと思うと彼女は当然のごとく服を脱ぎ始めた。


「え、これって…」


僕が戸惑っていると、


「あら?脱がないの?私とじゃ嫌だった?」


「いや、嬉しいんだけど、こういう流れになるとは思ってなくて…」


「あなたもうすぐ帰るんでしょ?ならいいじゃない。一度くらいやっておきましょうよ。私のこと、魅力的だと思ってるんでしょ?」


「はい、めちゃくちゃ好きです」



「ふふふ。私もあなたのこと気になってるの。だからいいじゃない。シャワー浴びましょう。」


長い舐めキスタイムで少し萎えていた僕の下半身は再び一気に上向きになった。


部屋の明かりはギラギラと眩しかった。


だから少し恥ずかしいと思いつつ、脱いで彼女を追ってシャワー室に入った。


先に入っていたマルティナはシャワーの温度を調整してくれていた。


適切な温度になると僕を手招いて2人でシャワーを浴びた。


僕がマルティナのそばによると、すぐさまベロベロ舐めるキスが始まった。


これもまた長かった。


気持ち良くないので冷静になってしまう自分が少し嫌だった。


シャワーの音がよく聞こえて水が勿体無いとすら思えた。


僕はマルティナの大きくて綺麗でなおかつ柔らかい胸を揉んだり、お尻を触ることで興奮が冷めないようにした。


ようやく長いシャワーを浴び終えるとタオルで身体を拭いてベッドイン。


先にベッドで待ってるように言われて待っているとマルティナは買ったばかりのコンドームをいくつか出してきた。


「サイズがわからないから、いくつか買ってきたの笑 普段店では買わないから買うの恥ずかしかったんだよ笑」


と言いながらいくつか開けて僕のあそこに装着した。


「私が上に乗ってもいい?そっちの方が私は好きなんだよね。それとも男だからやっぱり攻めたい?」


「僕は受け身だから攻めて笑」


「おっけー笑」


こうしてマルティナに身を預けることにした。


改めて見るとマルティナの身体はすごく綺麗だった。モデルのようなくびれに大きくロケットのように長い胸。しかし大きすぎることなく、上品で芸術的な美しい大きさ。綺麗なピンクの乳首、少し大きく胸とのバランスがいい。


肌も綺麗。お尻も綺麗。


髪も透き通ったような金髪で、とても綺麗だった。


マルティナが僕の上に乗って何度か腰を動かした。


僕らはいくつか汚れたコンドームを捨てた後、最後にもう一回と言われて少し疲れ気味のマルティナが再び僕の上に乗ってきた。


彼女は腰を動かし、息を乱しながらこう言った。


「写真が好きならさ、なんでもいいから写真を撮り続けなよ。この後も写真撮りにいってさ、写真を続けるの。そしたらきっとあなたの世界が変わるわ。で、いつの日か私のことを思い出してくれたら嬉しい。」


この人は詩人でもあるのだろうかと思いながら、僕は驚いた。


正直、写真で生きていこうとまでは思ってもいなかったが、なんだか写真をもっと頑張ってもいい気がした。


そう言い終わると、マルティナはイッたようで、「ああ…!」と目をつぶりながら小さな声でもらした。


息を乱しながら僕の上からゆっくりおりると、僕の股をつたって体液がシーツに滴り落ちた。


コンドームを丁寧に外してくれたが、今まで捨てたものよりもはるかに多く液体が付着していてシーツが汚れてしまった。


「あ、汚しちゃった」


とマルティナは笑いながら言うので僕は気にしないでと言いながらタオルで汚れた箇所を覆った。


再び2人でシャワーを浴びた。


「もう少し一緒にいられたらよかった」と彼女は言いながら僕のあそこで遊んでいた。


僕は外まで見送ろうとした。


「ここで大丈夫よ」と言われて僕らは部屋の前でハグと最後に軽くキスをして笑顔でお別れをした。


僕はその後部屋で悶々と彼女に言われたことを考えた。


なんだか写真を撮りたい気がする。


そう思ってカメラを準備して、薄暗くなった街へ出た。


マルティナとはそれ以来ほとんど連絡はとらなかった。


また会える日を楽しみにしていると伝えたものの、既読になることもなかったからである。


多分マルティナは旅行者との恋人関係はあまり考えてなかったのだと思う。


それでも短い間とはいえ仲良くなったから、最後に2人だけの時間を過ごして、その後すぐに僕のことを忘れようとしたのかもしれない。


都合がいい解釈だろうか。


僕は他に考えつかず、そう思うことにした。

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