ちょっと休憩〜国際デート珍事件 ゲイ編〜

世界を旅していると出会うのは女性だけではない。


ゲイにも出会い、ゲイに絡まれることもある。


僕は生粋のストレートなため、全く恋愛には発展させる気もなかったが、いくつかのストーリーを共有したい。


ストーリー1. タイのセキュリティ担当者


まず、ゲイといえば皆さんどこの国を連想するだろうか。


はい、僕が国際恋愛を夢見るきっかけにもなったタイである。


一度友人に誘われてゴーゴーバー(女性が裸になってダンスするバー)に連れられたことがあるのだが、彼は性転換した元男性に誘われて熱いキスをしていた。


相手が性転換したことは後から分かったことだが、見た目だけではなかなか分かりにくい場合があり、性転換した人に興味がなければ注意が必要だ。


一方で見た目は男性のままで心だけ女性だけの人もいる。


タイとはいえそこら中にいるわけではないものの、僕が絡まれたのは国際空港の中だった。


セキュリティチェックで列に並んでいた時、僕は荷物を入れるかごに手を置いて順番を待っていた。


するとどこからか手が伸びてきて僕の手のひらを撫でたのだ。


僕は驚いて周りを見渡した。


ひょっとしたら、早く進めの合図だったかもしれないと思ったものの、前にはまだ人が順番待ちをしていた。


すると斜め後ろにいたセキュリティのおばちゃんが僕に言った。


「この人、あんたとFacebook交換したいんだって」


この人とは誰かと思っておばさんの指の先を見ると、そこにはセキュリティの服を着たおじさんがいた。


このおじさん、というかお兄さんだろうか。


漫画に出てくるようなキャラで映えていた。


さらっと背が高く、細身。


まつ毛が長く、なぜだが目が星のようにキラキラしていた。


英語を話せないのか、もじもじしながら僕を見つめていた。


なんということか。こんな人が現実にいるのか。


全く恋愛対象ではないが、人としては面白い。友達であれば問題ない。


そう思ってオッケーと返すと、おばさんとお兄さん(お姉さん?)はまさか!という顔をした。


これもなかなか面白くて、漫画のように顎をボーンと下に下ろして目が飛び出たかのようなリアクションだった。


僕はあまりのいいリアクションぶりに内心大笑いしていた。


しかし、運命とは面白いもので、2人がペンと紙を探し始めた瞬間、僕の前方にいたセキュリティの人が僕に早く前に来いと言ってきた。


当然僕は前に進んだ。


するとお兄さん(お姉さん?)は「ノー!」と叫びながら手を伸ばした。


僕は結局Facebookを教えることなくその場を去った。


しかし、あの2人のリアクションはなかなかだった。


ストーリー2. エジプトのゲイ


イスラム圏の中にはゲイが陽の影を見ることなく暮らしていることはご存知だろうか。


イスラム圏に限らず、アフリカの途上国でもそうだが、中東アフリカは同性愛は禁止どころか悪と見なされる傾向にあり、中東アフリカでは肩身の狭い彼ら彼女らは異教徒である外国人を狙う傾向が少なからずある。


僕は中東もいくつかの国周ったが、タクシーのあんちゃんがゲイのパターンである場合が多く、旅行者の中にはまあまあ被害者がいたりする。


かくいう僕も何かと理由をつけて助手席に座らされると手をずっと握ってこられたり、太ももを触られるなんてことはあった。


しかし、エジプトのナイル川の帆船客引きおじさんはこの一歩踏み込んだところまでやってきた。


僕はナイル川の帆船クルーズのため、1人で手頃なクルーズを探していた。


僕が乗ったその帆船のオーナーのおじさんはとても優しく、値段も手頃、エジプトの客引き特有の強制さやしつこさがなく気に入り、彼の船に乗ることにしたり


すると話には全く出てこなかった別の男性客が先に乗っていた。


彼も一人旅のようで僕と同じくらいの年代だった。


彼も多分何も聞かされていなかったのだと思う。


僕が乗ってきたことに不満そうな表情だった。


僕らは会話もしなかったが、おじさんは僕らを一ヶ所に集め、おじさんが真ん中に座り、僕らの方に腕をまわした。


意味がわからなかったため、僕らは拒否しておじさんから離れた。


早々に別のお客さんは降りて行った。


僕はまだ時間があったためこのまま残ったのだが、それが失敗だった。


おじさんは僕の頬にちゅーしてきた挙句、クラブに行こうとしつこく誘ってきた。


僕は何度も拒否したのだが、


「君はゲイに違いない!ゲイの集まるクラブがある!行こう!」


エジプトにそんなところがあること自体驚いたが、当然僕は断ったが、おじさんからの勧誘は止まらなかった。


「わかった!セックスはしない!俺もあれは嫌いだ!だから行こう!」


『いや、それセックスするやつやん。しなくてもなんかあるやん。』


あまりにしつこかったため、後で会う約束をしてその場を去った。


約束の時間、僕は当然自分の泊まっていたホテルから出なかった。


おじさんからは何度も電話がかかってきたため、僕はついに拒否したのだった。



…と、まあ、こんな感じ。


世の中は広いですね。


皆さんも気をつけましょう。

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