第26話 国際恋愛〜ベトナム人〜
コロナ禍、日本でマッチしたのはベトナム人のナン。
当時24歳、技術研修生として日本に来たばかりの女性だった。
彼女にはコロナ禍だったため、互いに日本にいたものの直接会うことは叶わなかった。
ナンは黒髪ロングで真面目で優しそうな見た目で僕はプロフィール写真を見て一目惚れした。
運良くマッチしたため、日本語で猛アタックした。
日本での生活のアドバイスをしたり、僕の仕事の話をしたりしていく中で仲良くなり、ラインを交換した。
ナンが声を聞いてみたいというので、緊張しながらも何度か電話もした。
ナンは僕があまりに積極的すぎたせいか、周りの友人には詐欺を警戒するよう何度も忠告されたらしい。
たしかに日本人はあまり積極的ではない人もいるから怪しまれても当然だと思いつつ、とにかく毎日僕から連絡した。
何度か告白もしたものの、明確な返事はなかった。
いつも照れたような声で濁らされていた。
毎日連絡しつつも正式に付き合ってはいない関係性が続いた。
僕は全然進まない2人の関係に少し苛立ちを覚え始めた。
とはいえ、コロナで会えない、会いにくいのだから仕方がないと自分に言い聞かせることにした。
何も進まないまま2ヶ月が過ぎた頃、僕は過去にマッチしたナンのプロフィールを見る前に気になっていた日本人女性から連絡が来て、その女性ともやりとりするようになった。
その頃にはナンからの返事も滞り始めて僕は諦めつつあった。
一方で日本人女性は僕の家の近所で働いていたこともあり、すぐに会うことができた。
黒髪ロングで清楚な見た目だが、本人曰くFカップあるという男殺しのステータス。
なんでこんな人がTinderをやっているのかと思えば、彼女は特殊な性癖を持っていた。
僕は初めて出会うタイプの彼女に興味を持ち、その人と関係をもってしまった。
彼女と数時間一緒に過ごしていたのだが、その間ミュートにしていたナンからこれまで見たことのないほど大量のメッセージが入っていた。
日本人女性と解散した後、ナンから送られてきた怒り狂った内容のメッセージを見て僕は一気に冷めた。
僕が想いを伝えても返事は濁らされて、周りの影響とはいえ、散々詐欺扱いされた挙句、数時間返事を書かなかっただけで罵倒される筋合いはないと思い、僕は友人としての関係性も絶った。
ベトナムではひょっとして告白への返事はしないものだったのだろうか。
あるいは毎日連絡することが付き合っているという証だったのだろうか。
熱しやすい恋は冷めやすいだけなのかもしれない。
まあ、自分から積極的に声をかけておいて自分から距離を置いたのだから結果的には騙したことになったのかもしれない。
いずれにしろ、あまりいい思い出ではない。
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