第4話 2度目の国際恋愛〜歳上のタイ人③~

ある日、職場の同僚数十人と仕事終わりに観光地のダムに行くことになった。


ダムに着くと既に夜は真っ暗だった。


ダムは恋人のデートスポットらしく、街灯もない真っ暗闇の中、いくつかのカップルが寄り添っていた。


日本人であればなんとなく場の雰囲気を壊さないよう注意を払うが、タイ人たちはおかまいなし。


数台の車を駐車して、車のライトを頼りにみんなで宴会を始めた。


最初僕に気を利かせて英語で会話していたもののお酒が進むに連れてタイ語に変わっていった。


退屈した僕はひとり車の陰で飲んでいた。


すると酔っ払いオーさんがビールとひまわりの種を持って


「なにしてるのー?」


と声をかけてきた。


はい、とひまわりの種を渡されて2人で一緒に飲むことに。


ひまわりの種の殻をうまく開けられないでいると、


「なに?どうやって食べるのか知らないの?」


とオーさんが言うといきなり僕の口の中にオーさんの舌が入ってきた。


驚きと同時にネットリとしたオーさんの唾液が僕の舌を覆った。


僕の脳は一瞬で沸騰、下半身は硬くならないわけがなかった。


オーさんの舌の中に小さなひまわりの種を見つけた。


僕はそれを自分の舌で汲み取るようにして取り、飲み込んだ。


「ひひひひー」


と笑うオーさん。


すぐさま2回目、3回目が来た。


車3台挟んだところには何も知らない同僚たちがいる。


バレたらまずいと思いつつ、しばらくこの行為が続いた。


すると突然僕の元を離れたオーさんは


「早く来なよ」


と言い、僕は彼女に誘われてみんなのところへ戻った。


何もなかったかのように僕らは解散した。


次の日は土曜日だった。


オーさんに誘われてランチへ出かけた。


その時の車の中で


「ボクくん、スキデス。アイシテマス」


と日本語で告白された。


僕は突然の日本語に驚きつつ、


「本当!?」


と聞いた。


彼女の返事は


「ハイー」


僕も好きですと返事をすると彼女は運転しながら僕の手を握った。


その日を境に僕らは毎日昼と夜を一緒に食べるようになり、彼女は僕の家に泊まるようになった。


幸せだった。


幸せすぎていいのかと不安になる程幸せだった。


しかし、この関係は長くは続かなかった。


社内恋愛だらけの職場で、社内恋愛は実は禁止だから誰にも付き合ってることを言わないようにと釘を何度も刺された時、違和感にきづくべきだった。

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