バンドを追い出された少年が一人だけ最高の高校にスカウトされ、隣の美少女先輩に癒されて作曲家として成功するまで。

「身の程を知ろうぜ、燎」
十五歳の燎は、自分を誘ったバンド仲間にそう言われた。この仲間たちとならどこまでも行けると信じていたのは自分だけで、周りの人間はとっくに現実に負けて冷めてしまっていたようだ。

一人だけまだ諦めていなかった燎は引き止めようとするが、仲間に逆上され見限られてしまう。悲しみに暮れる燎だったが、そこで一部始終を見ていたらしい天瀬と名乗る青年に、自分だけこんな提案を受ける。

「日本一楽しい高校に、行ってみる気はないかい？」

そのスカウトを受け、地元から離れたその高校で一人暮らしを始めた燎が最初に出会ったのは、マンションの隣の部屋に住む二年生のほたる。

彼女は、十六歳で既にプロの漫画家として活躍する天才で、学校でも一番可愛いと言われているほどの美少女。そんな彼女がどうして…続きを読む