第15話 顔騎

「――ねえマーくん、明日お出かけしない?」


 土曜日の昼下がり。姉の遙香が1日中部活に励んでいる隙を突いて、この日もマオが愛斗の部屋を訪れている。

 お駄賃の先払いとして、うつ伏せに漫画を読むマオの白いショーツに包まれたお尻をむにむにと揉んでいる愛斗は、ふと発せられた問いかけに顔を上げた。


「お出かけですか?」

「うん。今思えばあたしらってお出かけしたことないじゃん?」


 マオの言う通りである。基本的にこの部屋での交流がメインだ。先日お見舞いに行ったことすら例外中の例外であり、共に外出したことはただの一度もない。


「どうかな? あたしとお出かけ」

「全然良いと思いますけど……なんで僕と休日に出かけたいんですか?」


 相変わらず、その辺の意図が謎である。


「あたしがマーくんとお出かけしたいからお出かけするの。それだけ」


 とのことで。

 はぐらかされた感があるものの、まぁ別にいいかと思う。


「沙希ちんも行く?」


 と、マオが沙希に尋ねていた。実は沙希も来訪中であり、床のクッションに腰を下ろして漫画を読んでいるところだ。趣味のジョギング終わりに立ち寄ったそうで、ナイロン製の黒いウェアを羽織り、下はレギンスに近いピチッとした黒いスパッツを履いている。むちっとした脚の輪郭がくっきりと浮き出ているため、愛斗は先ほどから何度か視線を奪われている。

 ちなみにマオも白無地の半袖シャツと学校指定の紺のハーフパンツという結構ラフな格好で訪れており、今はもちろんそのハーフパンツを下ろしてお尻を揉ませてもらっているわけだ。


「私も行っていいの?」

「うん、別にいーよ」

「なら是非行きたいわね。どこに行くかは決めているの?」

「んー、迷ってるけど……時期的には涼しい場所が良いよね。雰囲気も込みで」

「水族館とか?」

「お、いいね水族館! じゃあ水族館にしよう! マーくんもそれでいい?」

「あ、はい。全然大丈夫です」

「じゃあ水族館にけってーい!」


 テンション爆上げのマオをよそに、愛斗は逆に冷静な態度で、


(我ながら……今日も含めて凄い休日を過ごしているよな……)


 と思う。

 何人か居る校内のマドンナのうちの2人と外出の予定を立てながら、お駄賃という名のインモラルな行為に耽る。まさに男の夢とも言える状況だ。

 このあと揺り戻しの不幸が来ないことを祈りながら、愛斗はマオのお尻を揉み続ける。マオは細身だが、お尻は肉付きが良くて揉み応えがある。ショーツ越しに肉を外側に開いたり内側に寄せたり、ぐにぐにむにむにと弄ぶのがクセになりそうである。


「んもぅw マーくんの手付きえっち過ぎw」

「ねえマオ、そろそろ私と代わってくれない?」

「あ、代わって欲しいの?w」

「当たり前でしょう? 独り占めはNGだわ」

「しゃーないなぁw ――ほなマーくん、一旦あたしのお尻とはお別れして沙希ちんと楽しんじゃってw」

「あ、はい」


 マオがカーペットに移動し、入れ替わりで沙希がやってくる。彼女は愛斗の瞳をジッと捉えつつ、


「さあ愛斗くん、私にはどんなお駄賃をご所望かしら?」

「えっと……じゃあ……」


 愛斗は少し考えたのち、


「ぼ、僕の顔を尻に敷いて欲しいです……」


 と告げた。

 ジョギング終わりでムレムレであろうスパッツ越しのお尻で顔面を圧迫されたい。

 愛斗の飽くなき探究心がそれを求めていた。


「ちょw マーくん最近遠慮がなくなってきたねw」

「いいじゃないの別に。私としてはそれくらい素直な欲望をぶつけてくれる方が仲良くなれている気がして嬉しいわ」


 とのことで。

 愛斗が早速仰向けに寝そべると、沙希は愛斗の顔を跨ぐ形でひとまず膝立ちとなってくれた。

 下から見る黒いスパッツに覆われた下腹部はなまめかしい。ショーツのラインがはっきりと浮き彫りになっており、思わずごくりと喉が鳴る。マオに負けず劣らずのデカ尻。安産型のそれが、むわっとしたオーラを放出しているようにも見える。


「じゃあ愛斗くん……腰を下ろしていくわよ? 覚悟はいい?」

「だ、大丈夫です……お願いします……」


 そう告げた途端、沙希の臀部が降下を開始。直後には鼻の先端が割れ目にフィットし、そこからゆっくりと顔全体がむちっとした肉の塊に覆われていった。


(うおおお……)


 なんとも心地のよい圧倒的重量感であった。ただならぬ圧力と共にムレムレの臭気が鼻腔を突いてくる。愛斗はたまらず沙希の両太ももをがっちり手でホールドしながらスーハーと深呼吸を始めてしまう。


「や、ヤダ愛斗くん……そんなに嗅がないでちょうだいな……」

「無駄だよ沙希ちんw マーくんは変態さんだから思う存分吸い尽くすよw」


 マオの言う通り、匂いフェチな一面を持つ愛斗はこの状況で平常心ではいられない。ぐりぐりと鼻を押し付けて、羞恥に悶える沙希の臀部を堪能しまくる。お世辞にも良い匂いとは言えない汗臭さが漂っているものの、それが良いのである。



――――――――――――――

明日は更新お休みします。

月曜から普通に再開する予定です

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