第20話 触発されて
「――え!? 愛斗くんとえっちしたの!?」
「うん、しちゃったw」
この日の放課後、遙香不在の菱川家にはマオと沙希の姿があった。
無論、愛斗の部屋を訪れているわけである。
そんな2人は漫画を読みながらセンシティブな話題に触れていた。
愛斗は課題をこなしつつ、どこか気恥ずかしい気分で聞き耳を立てている。
「ほ、本当にしちゃったの……?」
「うんw 昨晩遙香の部屋にお泊まりしたんだけどさ、そんときに遙香の横で生まれたまんまの姿になって童貞と処女捨てたw」
「ど、どういうシチュエーションなのよ……」
沙希のツッコミはごもっともである。
「めっちゃハラハラしたw」
「それはそうでしょうね……それよりえっちの感想は?」
「めちゃんこ良かった……♡」
うっとりした表情で応じるマオであった。
「もうね……ほんますごいの♡ マーくんのおっきいアレでメスの悦び分からせられちゃった♡」
「痛くはなかった?」
「んー、そんなでもなかったかな。あたしの場合は、だけどね」
「避妊はしたのよね?」
「まあね。大丈夫な日ではなかったし。でも大丈夫な日が来たら着けずにシようね、って約束してるけど。ね? マーくん♡」
そう言ってマオがベッドから立ち上がり、愛斗の傍まで歩み寄ってきたかと思えば、背後から手を回して抱きついてくる。
「大丈夫な日が来たらマーくんの赤ちゃんの種、あたしの赤ちゃんのお部屋にいっぱい注いでね……♡」
そんな言葉と共にほっぺにチューまでされてしまう。
えっちをしてからというもの、マオのスキンシップはより激しくなったと言える。
それゆえに、愛斗としては困っている部分もある。
「ま、マオさん……僕いま勉強中なので、あまり誘うようなこと言わないでもらってもいいですか……? 集中力がなくなってしまうので……」
「なら、きちんと集中するために一度発散するのもアリじゃない?w」
ゴムいっぱい買って持ってるよ?w と耳打ちされたのが、愛斗の理性消失のきっかけであった。
男子高校生が、そこまで言われて我慢出来るはずがない。
そんなこんなでこのあと――沙希が居るということを気にせず、愛斗はマオに没頭したのである。
~side:沙希~
(す、すごかったわ……)
愛斗の自宅をあとにした帰り道、沙希は2人のあられもない行為を思い出して赤面していた。マオとお別れ済みなので1人である。
(あんなにおっきいのが……ずんずんって……すごかったわ……)
沙希はもはや語彙力を失っている。
現状の彼女はすごかったわbotである。
男女の営みは、動画でなら興味本位で何度か見たことがある。
しかしながら、リアルでお目に掛かったのはもちろん初めて。
色々と衝撃的で、沙希の興奮は冷めやらぬ状態だった。
『もし沙希ちんもシたいなら、ゴムは自分で準備しなねw それがチケット代わりだからw』
とマオに言われたのを思い出す。
その言葉に導かれるかのように、沙希は気付くと駅前のドラッグストアを訪れていた。そしてゴム売り場へ向かう。
(い、一番大きいサイズでいいはずよね……)
愛斗のアレを思い出しながらそう考え、
(どうせなら……一番薄いのにしておきましょう)
と0.01ミリのモノを手に取ったそのとき――
「――あれ? 沙希じゃん」
「!?」
いきなり声を掛けられてビビる。
そして声を掛けてきた人物を捉えて更にビビった。
なぜなら――
「は、遙香……」
「うーっす。沙希ってばゴムなんか手に取って何してんの?w」
とニヤけた表情で、運動着姿の遙香が近付いてきた。どうやら部活終わりに諸用でドラッグストアに立ち寄ったようである。
「もしかして彼氏でも出来た?w」
「え、えっと、これは……」
素直に「愛斗くんとおせっせするためよ」とは言えないので、
「そ、そうよ……彼氏が出来てしまったのよ……」
と頷いた。
「へえ~、やっぱそうなんだw どういう彼氏?w」
「しゃ、社会人よ……」
「ほーん。なんか沙希らしいかもw とりあえずその情報って周りには黙っておいた方がいい?w」
「あ、当たり前でしょう……」
「おっけおっけw 学校の男子たちが知ったら騒ぎになりそうだしねw」
ほなまた明日~w と言いながら、遙香は割とあっさりレジの方へと立ち去ってくれた。
沙希は胸を撫で下ろしつつ、
(と、とりあえず買うだけ買ってさっさと帰りましょう……)
こうしてゴムを入手した沙希は、明日早速使ってみようと考えたのである。
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