第9話 対抗心

「ねえマーくん、今日はあたしのおっぱい見てみない?」

「え」


 あくる日の放課後も、愛斗の部屋にはマオが顔を出していた。

 今日はマオ1人である。沙希は週に何度か塾があるらしい。


 ともあれ、現在はすでにお駄賃の時間だ。

 そんな中、マオがそのような提案をしてきたのである。


「ど、どうしておっぱいを見られたいんですか……?」

「だってさぁ、マーくんとの付き合いは沙希ちんよりあたしの方が長いのに、あたしはまだおっぱい見せたことないんだよっ?」


 マオが不服そうに頬を膨らませている。


「沙希ちんに負けてられんでしょっ」

「ど、どんな対抗心ですか……」

「細かいことは気にしないっ。――でなわけでっ、今日のお駄賃はあたしのおっぱいを見ることっ! イヤじゃないでしょっ?」

「そ、そりゃ……はい……」

「ほな脱がせてっ」


 むんっ、とマオがベッドに座ったまま胸を張っている。金髪碧眼ハーフギャルの胸元は、沙希ほどではないがしっかりと豊満だ。

 愛斗は「……分かりました」と頷いてそんな彼女に迫る。脱がせて、と頼まれて拒めるはずがなかった。


 愛斗はちょっとした緊張感と共にマオへと接近し、ニットベストとブラウスを脱がせた。すると目に入ってきたのは、純白のワイヤーブラだ。マオの美白おっぱいを包み込むそれは可愛らしいデザインで、マオの雰囲気にマッチしている。


「か、可愛い下着ですね」

「あ、うん、ありがとw そういうとこ褒めてくれるのはポイント高いw」


 言いながら、マオはくるりと愛斗に背を向けた。


「ほな、上手いことホック外してみよっか?w」

「や、やってみます……」


 沙希がスポブラだったので、愛斗はホックに初チャレンジである。

 恐る恐る手を伸ばし、マオの金髪を掻き分け、ごそごそとイジってみる。

 すると――ぱちっ、と思いのほか簡単に外れてくれてホッとした。


「お、マーくん上手いじゃんw」


 ニヤリと呟くマオをよそに、愛斗は脈を速めながら肩紐を外させる。そしてついにブラが完全に取れて、マオの上半身が裸となった。


「ほな、そっち向くよ?w」


 そう言ってマオがゆっくりとこちらを振り返ってきた。

 直後に見えたのは――ぷるんっ、と揺れるまばゆい果実。

 ツンと上向いたお椀型のそれは、愛斗にごくりと唾を飲み込ませた。


(す、すごい……)


 ほどよい大きさの乳輪と、ぷっくりと膨らんだ乳首がえっちで、色は薄すぎず、濃すぎず、ちょうどいい。


「へへ……やっとマーくんにおっぱい見せられたw」


 どこか楽しげに呟くマオ。

 沙希への対抗心とはいえ、なぜここまで晒してくれるのか。

 気にはなるが、今はそこを追及している余裕などなかった。

 目の前の美乳に視線も意識も釘付けだからである。


「さあほら、見てるだけじゃなくて触ってくんないとダメだかんね? 沙希ちんのおっぱい触ったんだから、あたしのも触らないと不公平じゃん?」


 とのことで。


「じゃ、じゃあ……」


 愛斗は両手をマオのおっぱいにぴとりと触れさせた。むにゅっ、と柔らかくて、あったかい。マオがこそばゆそうに「ん……♡」と吐息を漏らす中、優しく丹念に揉んでその感触を味わってみる。


(沙希さんよりも、弾力があるかも……?)


 沙希のおっぱいが際限なく指を飲み込む底なし沼だとすれば、マオのおっぱいは気分良く弾ませてくれるトランポリンだった。もちろん大袈裟な表現だが、それくらいの差異があるのは間違いない。


「へへ……夢中だね?w 沙希ちんのおっぱいとどっちが好きかな?w」

「む、難しいです……優劣は正直、つけられない感じで……」

「ふぅん、そっか……ま、ドローならひとまずヨシとしとこうw」


 そんなこんなで、愛斗はマオのおっぱいも学習したのである。

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