第16話 闇一族

 世の中には様々な人々が存在する。

 強い人と弱い人、頭が良い人と悪い人。

 お金持ちと貧乏、男性と女性。


 様々な人間はいるが、しかし、当たり前の人間である限りは、その能力にさほどの差異は無いのは当然である。


 あくまで、当たり前の人間ならば・・・・・


 ではこの世の中に、当たり前でない人間など存在するのであろうか?


 実は・・・・・存在するのである。


 人間であって人間ではないもの。


 それらの者たちは、常にその存在を潜めている。まるで闇に隠れるように・・・・・


 それらを知る者は極めて限られている。

 そして畏怖と敬愛の念を込めて、彼らをこう呼ぶ『闇の一族』と・・・・・


 あくまでも噂ではあるが、闇の一族全ての者は、神々の国、日ノ本だけに存在する古の神々の血を継ぐ魔人たちという。


 魔人たちの総体数は、中心の幹となる4体を含め10体にも満たない。その僅かな数で人間界を護っている。魔界など人外の侵略者たちから。


 実はこの物語の主人公である『ごるごさいてぃ』は、その闇の一族の魔人の一人であるといわている。


 闇のマルガリータ、女装のの魔人とも呼ばれ、丸刈りに印した稲妻の剃りこみは、荒々しき雷神の血を強く継ぐ者という。


 ごるごは表立ってはサラリーマンである。東京は多摩地区八王子にある某出版社に勤める平凡な人物である。


 しかし、ごるごの闇の世界での真実の姿は『凄腕の殺し屋』とも噂される。


 かっての伝説の殺し屋養成所『嗚呼帝国射撃団』の卒業生とも密かに聞き及んでいる。


 この地球上で、真実の全てを知るものはただ一人。闇一族を主宰し、魔人たちを統べるもの。その名を『闇の語り部風介』と呼ばれている。


 主宰の風介は風神の血を継ぐ者。一族最強の魔力・神力をもち、魔人を超える最強の魔神と呼ばれている。


 これまで皆さんにお話をしてきた、ごるご伝説は 闇の語り部風介から、崖から飛び降りる覚悟で、聞き及んだ話をまとめたものである。


 この『ごるご伝説』は、筆者があなただけにこっそり伝えるものであり、決して他人には漏らしてはならないものである。


 かってこの秘密をさり気なく漏らした者は、翌日、日のいづる国の黄金都市、立川駅のトイレでExitをぶち抜かれ脱糞死していたと記録されている。


 最後に、闇の語り部風介と筆者である希藤俊の前ネーム名『夜空風介』が重なっていることについては、賢明な読者の皆さん自身が推察され、そっと心に留めておくよう期待してやまない。


 闇一族のひとり、雷神の末裔と噂されるごるごの密やかな伝説を、引き続きお楽しみ願いたい・・・・・


 伝説は続く・・・・・

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