第2話 魔獣タイガー
ごるごさいてぃ。それがヤツのネームである。昔海軍にいたという。狙った獲物はけっして逃がしはしない凄腕のスナイパーだったという噂である。
ある日のことである。あのマッチョなごるごが突然休んだ。何の前触れもなく、まったく連絡もないまま1週間が過ぎ去っていった。
ヤツは外見どおり、普段はまったく目立たぬ『office lady』ではあるが、夜の新宿2丁目界隈では、別の顔を持つ者としても知られている。
夜の世界では、知らぬ者などいない凄腕の殺し屋との噂もある。高額の報酬を受けて、時には世界経済界の大物や国家首脳などさえ消去を行うこともあると聞き及んでいる。
そんな物騒な裏の顔を持つヤツのことだ。もしかすると、どこかの敵対する組織に暗殺されたかもしれない。
自宅は不明で、職場の誰も知らない。男性職員さえ頬を赤らめる太めのお友だちを持つチーフが、伝手を利用し内閣調査室に探りを入れた。
品川に在住、外敵から身を守るため、獰猛で狂暴なタイガーを飼っている。そんな秘密情報を収集した。
早速、チーフを隊長にごるご救出隊が結成された。品川埠頭の暗い倉庫街。そのうちの古い倉庫の1つがゴルゴの根城のようだ。
倉庫の入口の鍵が開いていた。
もしかすると敵の襲撃かもしれない。
ドアをそっと開き、暗闇の室内に忍び込む捜索隊。暗闇から獣の気配が・・・・・
恐怖の魔獣タイガーに襲われないように、そっと暗い部屋に目を凝らした。首に『大河』と名札をつけたチワワが、プルプル震えていた。
ごるごが倒れていた。海軍時代の可憐なセーラー服に包まれて。捲れたスカートからは鋭く食い込む黒のTバックをむき出しにして・・・・・
ごるごがなぜ倒れたのか。理由は不明のままである。しかし1週間、大河はどうして小さな命をつないだのか?
プルプル大河がいない。探していた目に大河が飛び込んできた。暗闇の中で、大河がなめていた。必死になってペロペロなめていた。
セーラー服姿も麗しく床に倒れていたごるごの漆黒のTバックから、さりげなく放り出されたごるごの凶器、小さなお友だちをなめまくっていた。
翌日、内閣調査室の『国家的危険人物情報』は、捜索隊のチーフから緊急メールにより新たなデータが加筆されていた。
○危険人物G、可憐なセーラー服で喪心
○スカートの下、漆黒シルクのTバック
○因みにブランド、GUCCI製
○魔獣タイガー、小さなお友達で水分補給
伝説は続く・・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます