第7話 浣腸に死す

 マッチョで強面、ピュアでスウィート、セクシーでミステリアスな乙女ごるご。


 ヤツの秘密を知る者などいない。ヤツの秘密を知ることは、即ちヤツの標的になることであり、秘密を知る現存者は少なくてもこの地球上には存在しない。


 ヤツの秘密を知った者は必ずや命を失う、ヤツの必殺技『浣腸ボンバー』をExitに受けて・・・・・


 はるか昔のことではあるが、かって某国の情報機関が総力をあげてヤツの情報収集を行ったことがあったという。


 ヤツが何を好むのか?

 ヤツは何を飲みのか?

 ヤツは何を食するのか?


 ある日の昼休み、『007』という謎の称号をもつ凄腕の情報員が、ヤツの隣のデスクに座る美女に巧みに声をかけてきた、


 お肌スベスベ、女性の健康に効果が高い生姜湯を美女にさり気なく手渡しながら。


 もちろん彼女は分かっている、ヤツに関する情報の全てを、決して漏らしてはならないことを・・・・・


 しかしさすが女性にモテモテのイケメン情報員、あの手この手さらには猫の手も使い美女から聞き出す。


 情報員の激しい攻勢に、下痢時のぶりのように美女は震えながら小さく囁いた。


 「ぶりなのにぃ」


 ヤツが好んで食べるもの。それは肉。鳥豚牛何でも食するが、主食はにんにく醤油味の鳥の唐揚げという。


 麺類もかなり好むらしい。カレーラーメンとスカベティ。スパゲティではない。ヤツの発音はフランス訛りでクリアーである。特に好みはスカベティペペロンチーノ。


 ずるずると鋭い吸い込み音をたてて食すのが、粋であり通であると言われている。


 それじゃ飲みものは?しつこく尋ねる情報員にビビる美女は、恐怖に下着の後ろをささやかに汚しながら囁いた。


 「もぉ ぶりなんです」


 ヤツの恐怖から美女の気持ちを奪うため、コーンポタージュ味のうまい棒を小さな手のひらにそっと握らせた。


 ヤツの好きな飲み物はゼロコーラであるという。また小腹が空いているとき、黒のTバックの中に常時忍ばせているマヨネーズも好みの飲み物の1つだ。


 もちろんマヨボトルごと真紅の唇を寄せてラッパ飲み。いやちゅーちゅー飲み。


 念のため、ヤツの秘密を知り得た命知らずの情報員のその後をお知らせしておこう。


 爽やかな翌日の朝、某公園の公衆トイレ。せまい個室のなかで安らかに息絶えていた。思いのほか小さな息子を大胆不敵に放り出したまま・・・・・


 警察の記録には、被害者のExitに鋭い浣腸の跡が美しく残されていたと記録されていた。


 恐るべし泣く子も漏らす恐怖の魔女ごるごさいてぃ。ヤツの秘密を知る者、それはこの地球上に生きて存在しない。


 聞け、ヤツの秘密を暴こうとする命知らずの者たちよ。


 君の黄門さまに幸いあれ

 そして、死して黄門さらすことなし


 伝説は続く・・・・・

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