第28話 学級委員①-2 (藤見杏花視点)
「ふふふ、、今日はお気に入りの髪留めで〜す」
私、杏花は今絶賛、
七瀬先輩、いやいや、勝が戻って来て私の中の熱狂が戻って来たような気がした。熱狂というと、バレーボールをやっている
「そうじゃない。そういうことじゃない」
バレーボールをやっている勝。その彼に憧れてバレーボールのマネージャーになったけど。そういうものじゃない。
きっかけは人それぞれだけど。
病院の時の勝のリハビリを見ていたし。そこで投げださなかった勝はバレーボールをやっていた時よりも私に胸をうつものがあった。
それが恋だなんて、その当時気づいていなかったけど。
今、私は、勝のことを1人の人間として好きになっている。
私の気持ちを伝えるにはまだまだ、言葉にできないけど。
いつか、勝に好きだよと伝えたい。
「お姉ちゃん行ってくるね」
廊下を寝癖頭でうろついてる姉に声をかける。
「あれ、杏花、張り切ってるじゃん!さては、彼氏ができたんだなぁ〜?」
今年大学生になったお姉ちゃん。ちょっとズボラでだらしないけど。私にとって、大事なお姉ちゃんだ。
「そんなんじゃないよ〜」
「そうかね?あんたが去年に部活動のマネやるという時は雪でも降るのかと思ったけど。ちゃんとやってるのすごいよ。あぁ、あの子、お目当ての彼は復帰したのかい?」
腕を組みながらニヤついてくるお姉ちゃん。
「•••••まっ、勝はそういう人じゃないよ」
うっかりと口を滑らして名前を言ってしまう私も私だ。
「そうそう。勝くんだ。彼はバレーボール部には復帰できそうなの?」
「勝は、復帰するかわからないよ」
私は
「••••••••••••」
「••••••••••••」
少し沈黙が流れる。
すると、お姉ちゃんが私に近くまで来てと手で呼ぶと、私の頭をぐりぐりする。
「この〜この〜」
「お姉ちゃん。痛いよ」
私は頭をおさえながら、愛玩動物のように下からお姉ちゃんを覗く。
「そんな表情してたら、ダメ。杏花は明るさだけが武器なんだから」
「明るさ、だけは余計だよ。お姉ちゃん!」
「そうそう。その調子だよ。その勝くんは復帰するかわからないけど」
お姉ちゃんは人差し指で私を指差す。
「杏花はそれでも勝くんのことを思ってるなら。それでいいじゃん」
お姉ちゃんはなぜか、私の心中を察するように肩をおしてくれている。
「もう、余計なお世話だよ。お姉ちゃん」
なぜか、私の心のわだかまりが取れていくような気がした。
「
奥のリビングからお母さんの声が聞こえた。
「それじゃ、杏花。頑張ってね」
「頑張る?なんのこと?ーそれじゃあ行って来ます」
私はあくまでも惚けながらも、お姉ちゃんの声援を受けて、玄関を出た。
私は学校に来て、今日から朝練がはじまったバレーボール部を見に行きつつ、一応、教室も確認する。
教室からは、女生徒が1人、出ていく。
「あの人は、確か....」
まだクラスメイトの名前と顔が一致していないため。思い出せない。
「とりあえず。教室を確認、確認」
すると、私の隣席には彼がいた。
「おっ、勝。おっはー」
「おはよう。杏花」
私はカバンを自分の席に置くと、少し憂鬱そうな勝が気になった。
勝は私の目線が気になったのか、声をかけてくれる。
「ああ、朝練の手伝いか。頑張れよ」
「そうだけど...勝、考え事?」
「まぁ、そんなもんだ」
私は
でも、お姉ちゃんが肩をおしてくれたことで、聞こうと思う。勝と積極的に関わるために。
「その悩みを聞いてもいい?」
「宮瀬先生に学級委員やらないかと誘われてるんだよ」
「えっ受ければいいじゃん」
私は即答してしまう。
「だって、俺は一応杏花や美緒とかよりも一歳上なんだぜ。
「勝なら、できると思うけど」
「本当か?」
「うん、勝は何事にも一生懸命だし。勝をちょっとは見て来た私が保証する」
私は少しだけ恥ずかしながらいう。
「さっきより説得力あるな」
勝は背伸びをして、私の方を見る。
「ありがとう。杏花。踏ん切れたよ」
そうするといつも勝に戻り、今日の時間割を見始めた。
「そう、それならいいけどさ」
私は、カバンから必要な部活ノートを取り出して教室を後にする。
そういえば、勝が言っていた『さっきよりも説得力がある』ってなんだったんだろうと思いながら第一体育館に向かった。
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