学校を休んでいた俺がなぜか、好かれまくっている件について

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第一幕 掲示板での出来事

第1話掲示板の前で怒っている妹。(七瀬勝視点)

 ここ一ノ瀬高等学校は私立高校だ。特筆することはなく、平均的な学力と部活動が強いということだけで、普通の高校だ。

 


そして俺、七瀬勝ななせまさるは二度目の高校2年をスタートした。


「涙が出る」


 俺はわけあって、去年はベットの上で過ごした日々が続いた。


桜の花びらが舞う中で高校生活に帰ってきた喜び。


俺にとって、青春の1ページを体験できなかった複雑な感情がある。


「やっと戻ってこれたけど。でも、高校2年か」


「一歳.....同級生より上なんだよ。俺...」


1人だけ取り残された感じだ。


「大丈夫だろうか?」



校舎に向かう真ん中で大きなため息をついた。


周りを見渡すと生徒たちの足取りは軽やかで華やかに見えた。


悲観しちゃいけない.....

  

失った高校生活を取り戻すために一歩を歩み出そう。


校舎の前に張り出されている新クラスの掲示版の前に来る。



「俺の名前..俺の名前は....?」


2年生であるから、真ん中の掲示板であることは去年から知ってる。


この学校はAからDクラスまであって、文系は基本的にCかDクラスになる。


ちなみに、去年は2-Dだった。


「Cクラスか」


Cクラスにいる名前を見ても、学年が一つ下のため、顔見知りはいないように思えた....


  しかし、唯一、小さい頃に遊んでいた福井美緒ふくいみおの名前がある。


「同じ高校に進学したと聞いたけど。まさか、同じクラスになるとはな........ハハハハ」


単純に驚いた。


俺自身、近所に住んでいる一歳年下の美緒のことは、実の妹のように可愛がっていた。


思い返せば、俺と美緒の関係が変わったのは中学校。


俺がバレー部の部活動を始めたからだ。


そうなると、必然と美緒とは遊ばなくなってしまu。



「げっ......勝にぃと一緒かよ」


横から聞こえてきた声は懐かしい美緒の声だった。


「げっとは、なんだよ?美緒?」


反射的に言葉を返してしまう。


病院でも会っていたが、長い黒髪のストレートに、大きな胸...出るところが出て、しまるところはしまる...改めて思う


超絶美少女だ!


「そのままの通りだし。勝にぃ!?」


「なんだよ。藪から棒に。小さい頃は一緒に遊んだ仲じゃねぇか?」


「それはあんたが、寂しそーだったから遊んでやっただけじゃん。誰があんた、なんかと遊んで楽しいもんですか!」


売り言葉に買い言葉とはよくいうものだ。


新学期早々、俺と美緒の喧嘩はヒートアップしていった。


「俺だって、美緒との遊ぶなんて正直、嫌だったよ。でも、お前がどうしてもというから、しょうがなく...」


「どうしてもっ...て?私、勝にぃに頼んだ?


勝手に記憶の捏造、しないでよね....?!!!」


美緒は興奮気味に少し顔を赤らめて、俺を下から見上げる。


「捏造だと!?」


さかのぼると出てくる....仲睦まじい美緒と遊んだ美しい記憶...


でも記憶は音をたてて、壊れていった。


あの頃、俺を追いかけてきた可愛い美緒はどこにもいない。


今の美緒は、遅めの思春期を迎えた難しい年頃なんだろう....


「後、もう同学年なんだから、勝にぃじゃなくて、勝と呼ばせてもらうわ」


美緒はもう飽きたというばかりに掲示板から離れながらいう。


くっ、同学年だから...仕方がないが...なんかだかなぁ。


掲示板の前でこれ以上騒ぎを起こしたくない。


俺は校舎に消えていく美緒の姿を見守るしかなかったのである。

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