監禁生活15日目 汗拭きタオル




「……ん……」



 妙に寝苦しくて、夜中に目を覚ます。


 熱は下がっているのか、眠る前のボーっとした感じはしなかった。



「あれ? 俺、なんで服着てないんだろ……?」



 俺は何故か毛布の下で全裸になっていた。


 少なくとも、寝苦しさを感じるような格好では無いだろう。


 では、この寝苦しさは一体……。



「んっ、んぅ」


「え?」



 ふと隣を見れば、誰か眠っていた。


 窓から差し込む月の光を反射するのは、健康的な小麦色の肌。


 橙華さんだった。


 しかも、俺と同じように布を一枚もまとっておらず、生まれたままの姿だ。


 ……待て。少し落ち着こう。


 俺は風邪を引いてしまい、一人ベッドで休んでいたはずだ。


 何故、俺は橙華さんと寝てるんだ?


 まさか……。



「じ、事後!?」



 全く記憶にないが、そうとしか思えない状況だ。


 不安で頭の中が真っ白になっていると、橙華さんが瞼をゆっくりと持ち上げた。



「んぅ……。あっ、おはよ……。ふぁーあ、ってまだ夜中じゃーん」


「いや、あの、え? なんでまた俺のベッドに?」


「そりゃあ、あすみんがショタ化したって聞いたからだよ。あーし、弟と一緒に寝るのが夢だったんだー♪」



 お、弟扱いか。


 しかし、事後でないなら良かった。本当に。



「そ・れ・よ・りぃ♪」


「?」


「えい!!」


「うわ!?」



 不意に橙華さんが俺を抱きしめてきた。


 そう、裸の状態で。


 当然、俺は彼女の大きなおっぱいに頭を埋める形になってしまう。



「うひゃー♪ やっぱカワイ過ぎ!! あすみんあすみん、あーしの一回だけお姉ちゃんって呼んでみてよ!!」


「ちょ、い、一旦離れて――」


「やーだ♪ 言ってくれるまで離れないもーん♪」


「わ、分かりましたから!! 言いますから!!」



 おっぱいのせいで窒息しそうな中、俺は必死に叫んだ。



「橙華お姉ちゃん!!」


「や、やっばぁ♪ カワイイ♡ マジカワイイんだけどぉ!!」


「むぐっ!?」



 どうやらもっとテンションが上がったらしい橙華さんが、俺を逃がすまいと更に強く抱きしめてくる。


 うっ、おっぱいに包まれるのは幸せだけど、このままじゃ死ぬ!!



「だ、橙華さん!! 一回離れてください!! 風邪を感染うつしちゃいますから!!」


「あ、やば。あすみんが風邪引いてたの忘れてた。大丈夫? 喉乾いてない?」


「はぁ、はぁ、だ、大丈夫です」



 俺は呼吸を整えながら、心配そうな橙華さんにそう言った。



「でも、橙華さんまで風邪を引いちゃうので、部屋から出て行ってください」


「んー、りょーかい。でもその前に、汗拭いとこ。あーしがやったげる♪」


「……変なことしませんよね?」


「えー!! なんかあーし、信頼無くない?」



 そりゃあ、前に一回茜音さんと結託してやらかしているからな。


 当然、警戒はする。



「だいじょーぶ♪ あーしに任せて♪」


「……じゃあ、お願いします」


「おっけー♪」



 俺は下着以外の服を脱いだまま背中を見せる。


 すると、橙華さんはどこからか取り出したタオルを水道の水で濡らし、俺の身体を拭き始めた。


 汗を掻いていたせいでベトベト気持ち悪かった身体が、綺麗になっていくのを感じる。


 その次の瞬間、橙華さんがニヤリと笑った。



「隙ありー♪」


「あひゃっ!?」



 橙華さんは不意を突くように俺を後ろから抱きしめてきた。


 大きなおっぱいが背中に当たり、気持ち良い。


 しかし、問題はそこではなかった。

 彼女のタオルを持っていた手が、俺のみぞおちの辺りを拭いているのだが……。



「ちょ、あの、橙華さん、指が、お、俺のB地区に触れてるんですが!!」


「んー? なになに? あすみん、ココ弱いのぉ? 男の子なのに女の子みたいなんだぁ♪」


「ち、違いますよ!! べ、別に感じてるわけじゃ――あふっ」


「じゃあこの、こりこりしてんのは何かなー?」



 橙華さんの指が、俺のB地区を軽く弾く。


 男として、断じてB地区で感じてるなどとは言えない。

 しかし、これはあまりにも……。



「んー? あれれー? ちょっとあすみーん、なんかあすみん、パンツの中で大きくなってなーい?」


「こ、これは、その」


「あーしはあすみんの汗拭いてあげようとしてるだけなのにぃ♪ あすみんのドスケベ♡」


「あふっ、耳元で言うのは、やめてください……」


「えー? じゃあ――」



 橙華さんは唇を俺の耳に近づけて、追い打ちをかけてくる。



「ドスケベ♡ あすみんのドスケベ♡」


「おふっ」



 くっ、耳元で囁かれたら身体が反応してしまう!!



「……ふふっ♪ あすみんのココ、めっちゃ苦しそーじゃん♪ お姉ちゃんが気持ち良くしてあげよっか?」


「え? あ、そ、それは……」



 橙華さんが俺の股間を見つめながら言う。


 それは、ダメだ。


 多分、俺が一度でも受け入れてしまえば、俺は橙華さんを二度と拒めなくなる。


 そして、茜音さんたちに迫られても拒否はしなくなるだろう。

 そうやってずぶずぶと快楽の沼に沈む。


 だ、ダメだ、我慢しないと、でも、ぐっ、橙華さんと気持ち良いことしたい!!



「ん? あすみん? なんか、頭から湯気が……」


「はへぇ?」


「わ!? ちょ!? あすみん!? だ、大丈夫!?」



 どうやら熱がぶり返してきたらしい。


 思考がまとまらなくなり、俺は気絶してしまうのであった。

 


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