概要
その時、本能寺に居合わせた、羽柴秀吉の妻・ねねは、京から瀬田、安土、長浜と逃がれていくが、その長浜が落城してしまう。一方で秀吉は中国攻めの真っ最中であったが、ねねからの知らせにより、中国大返しを敢行し、京へ戻るべく驀進(ばくしん)する。
近畿と中国、ふたつに別れたねねと秀吉。ふたりは光秀を打倒し、やがて天下を取るために動き出す。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!日本人誰もが知るあの歴史的事件を新解釈で描いた傑作
本能寺の変とそれに続く十日間。
ドラマ、映画、小説で描き尽くされているかに思えましたが、この作品において大胆かつ斬新な解釈で描かれた秀吉、光秀、信長像は、私にとって実に新鮮で、心底驚かされました。
戦国武将たちがまるで目の前にいるかのような人間臭い描写は本当に上手いです!
ねねさんの冒険活劇的な活躍ぶりも凄いですが、多くの人に慕われ、かつ人の気持ちを掴むことの巧みなゴッドマザーぶりもしっかりと描かれ「本当に凄い人だったんだ」と感じさせられました。
「老い」が一つのテーマにもなっており、非情な部分もありますが、どこか救いと優しさがあり、読後感の爽やかな素晴らしい作品です。 - ★★★ Excellent!!!史実をふまえつつ、想像力の翼を広げて描かれた日本史上の大事件
歴史上の大事件でも、史料の残存状況からその全体像がよくつかめない事件があります。
また、有名な人物でも、時期によっては、どこで何をやっていたかよくわからないばあいがあります。
とくに、女性のばあいはそうです。
この物語の主人公、豊臣(羽柴)秀吉の妻ねねも、関連史料はよく残っているほうですが、やはりわからないところも多い。
この物語は、そのねねと、前田利家の妻まつ、それに信長の妻帰蝶が、本能寺の変のときに本能寺にいた、という想定で始まります。
ほかにも、本能寺の変での明智光秀の真のターゲットは何者だったのか、秀吉の「奇跡的」とも言われる「中国大返し」はなぜ可能だったのか、につい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日本を動かした10日間。その時、彼らはどう動いたか。鳥肌が立つ物語です
これはレビューを書くしかないって思わせる作品でした。
わたし自身、歴史好きを自認していて、ときどき自分でも書くのですが。
いやあ、参りました。
この作品を読んだあとで、歴史小説を書けません。
それほど素晴らしい作品です。
物語は戦国時代。
秀吉の中国大返し10日間の頃を取り上げています。
本能寺の変ののち、天下を左右した日々を題材に、武将や妻たちの動き、心理を、主に秀吉の妻「ねね」視点で描いています。
このねねが素敵です。自立した、どこまでもかっこいい女です。
後に北の政所と呼ばれ、この先、徳川家康が天下を取ったのちも、家康にも大事にされた「ねね」という女性。彼女が、どういう人物であ…続きを読む