日本を動かした10日間。その時、彼らはどう動いたか。鳥肌が立つ物語です

これはレビューを書くしかないって思わせる作品でした。

わたし自身、歴史好きを自認していて、ときどき自分でも書くのですが。
いやあ、参りました。
この作品を読んだあとで、歴史小説を書けません。
それほど素晴らしい作品です。

物語は戦国時代。
秀吉の中国大返し10日間の頃を取り上げています。
本能寺の変ののち、天下を左右した日々を題材に、武将や妻たちの動き、心理を、主に秀吉の妻「ねね」視点で描いています。

このねねが素敵です。自立した、どこまでもかっこいい女です。

後に北の政所と呼ばれ、この先、徳川家康が天下を取ったのちも、家康にも大事にされた「ねね」という女性。彼女が、どういう人物であったかが、納得できる描写です。

「ねね」が、こういう女性だったからこそ、後に淀君に溺れた秀吉が捨てることもせず、生涯、正室として大切にして、その上、頭があがらなかったという逸話が真実味をもちます。

「ねね」を見事に描いた四谷軒さまに大拍手を。

1話を読み始めると止まらないはずです。
ぜひ、お読みください。

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