第7話 絵本

「ねむいよぅ、ちいちゃんがねんねします」


 お姉ちゃんが妹ちゃんに絵本を読んでいる。いつのまにか、カタカナも読めるし、優しく読んであげている。ぼくが絵本を読む機会は少しずつ減っている。


「かわいらしいのぅ」


「本当にな」


「ちょっと寂しそうな顔してるね」


「嬉しさと同時にあるよな、やっぱり」


「まだ早いわよ。これからたくさんあるんだから」


「そうだよね」


 子どもの成長は早い。姉妹で過ごす時間も増えていくだろうし、もちろん、友達や外の社会との交流も増えていく。きっとこんなにもぱぱとくっついてくれるのも今だけの貴重な時間だ。


「ぱぱ、読んで」


「はい、喜んで」


 二人に読む絵本は、とても幸せな気持ちになる。ずっとこのまま読んでてあげたいなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る