第9話 サブスク
我が家では家族全員がサブスクを利用している。その中でも妹ちゃんがお気に入りが、子ども向け番組だ。ものすごくリピートする。お歌にのって、お尻を振ったり、とにかく笑顔である。
今度は、ぼくの番だと歴史番組を観ると、しばらくキャラクター名を連呼する。いやいや、少しは見させてもらうよと構わず観ていると、お膝に乗ってくる。「ありがとう」と頭を撫でる。終わったら、すぐにつけてあげる。
通勤中、いつもイヤホンさして音楽を聴いていた。歩く距離、電車の時間、その音を聞くのはいいのだけど、どうしようもないときもある。そんな時に音楽が助けてくれた。サブスクである。昔はMDやCDを集めていたけれど、もうかさばるのはダメだよね。
けれど、サブスクでは届かないものもある。生の迫力だ。ひかるは、時々、うたをうたう。ものかなしい調べは、耳を優しく包んで、味わうほどに心に沁みる。これはきっと古来より伝わってきた何かなんだろう。
お姉ちゃんがひかるの真似をしてうたっている。うたいおわると頭をなでてもらいながら、レクチャーを受ける。みるみる上達している。かわいい調べに、芯が通っていく。これは贅沢だなぁ。
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