第24話 からあげ

 お姉ちゃんは、うどんばかり食べる。そして、ぼくの好きなからあげを食べないのだ。子どもたちが食べないものは食卓に出ないから、ずいぶんとからあげを食べていない。あのさくさくの食感が恋しくて、あぁ、ぼくの好物が食べたいよぅ。と思うけれど、まぁ、いたしかたない。


「ひかるはからあげって食べたことある?」


「初めて聞いたの」


「よし、じゃあ今度、作ったげる」


「やったー!!」


「おわっ、なぜ、そなたが喜ぶのじゃ」


「ぱぱの好物なのよ」


「なるほどの」


「でも子どもたちが食べないからね、なかなか作ってあげられなくて」


 待望のからあげの日。


「いただきます」


 さくさくの食感は、もちろん、皿に盛られた姿も目を喜ばせる。


「ぱぱは、本当においしそうに食べるね」


「よい表情じゃ」


「あたち嫌い」


 お姉ちゃんの一言で、次回のからあげは先になりそうだ。

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