第12話 めいそう
ひかるは時折、目を閉じている。縁側で陽を浴びて、たおやかに座する姿は百人一首の絵はこのようであったかと理解す。
ぼくも一時期、めいそうをしていた。座する、寝床でなど多様なやり方があった。ひかるは自然体である、これだったんだろうな。
「ぱっぱ?」
「一緒にやる?」
「二人ともひかるの邪魔しないの」
「はい」
こっそりまねをする。なんとなくしっくりきているような気がする。いろんなことが浮かぶ、それを受容していく。ただそうだったんだ、と。目を開けると、ひかるが見ていた。
「そなたも堂に入っている」
「ありがとう」
窓を見ると陽が落ちてきて、夕暮れ模様。
「美しいのぅ」
「ぱっぱ」
「おいで」
「ぱぱ、おわった? あっ、夕陽!」
「きれいね」
今日は一段と綺麗に見えた。
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