第17話 たなばた

「ほぅ、旧暦があるのじゃな。二度も楽しめるとは、それはめでたいのぅ」


 うちは田舎だから正月と七夕が二度、ある。例年、どちらにやるんだけど、今年は2回やるか。


「天の川に願いを込めた短冊を見せる。よい習慣じゃ」


「ひかるん、なにかくの?」


「そうじゃな、わらわのことより。そなたらが笑顔であることを願うかの」


「どうして?」


「そなたらが笑顔だと、わらわも楽しいからの」


「じゃあ、あたしもひかるんが笑顔ってかく!」


「ありがとの」


 光の繭でお姉ちゃんをゆらゆらとして、きゃいきゃいと喜び合う。妹ちゃんも合流して、きらきらと美しい光景だ。


「子どもたちとひかるの笑顔にしようかな」


「ぼくは、ままと子どもたちとひかるが笑顔にってかくよ」


 ぼくたちは笑顔で見守った。

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