第6話 あれから、数年の月日が流れた

 あれから、数年の月日が流れた。

 叔父さんは、高校を卒業して、18歳の若さで、まほさんと結婚して、子供が一人できた。


 緑髪の1歳の娘もいる。

 そう、叔父さんとまほさんは今年で、21歳を迎える。


「甥君、学ランはもういいの?」

 

「俺、もう小学校卒業したけど・・・・」


 こんな天然で、空気の読めない叔父さんに奥さんができて、子供もいるとか。


 俺の制服は、ブレザーにネクタイはつけなくていいという学校。

 だから、ワイシャツを着て、ブレザーを羽織る。


 こんな平凡な日が続くと思っていた。

 

 ある日、俺は一人のいじめられっ子を助けようとしたら、不良グループ三人組に絡まれた。

 俺は、電気を三人組にぶつけても、倒れる様子もなかった。


「嘘・・・・・」


 俺は、恐怖で震えることしかできなくなっていた。

 電気の魔法も効かないとか、こいつらは人間なのか?


 ううん、人間だとしても、弱い電気ならなんともない。

 そう、俺は異世界でも最弱な魔法を使うことしかできない、ただの落ちぶれ。


 叔父さんだったら、強い雷で、こんな不良ぐらい一撃だっただろうに。


「助けて・・・・叔父さん・・・・」


 俺は、小さな震える声で、来るはずもない叔父さんに助けを求めた。


「はは、おじさんだがなんだか知らねーけど、大人は助けに来ねーよ」


 不良たちは、せせら笑うだけだった。


 不良の一人が、拳を握りしめ、その拳は俺の方に向かっていてー。

 

 俺は、殴られる覚悟でいた。

 その時


「弱い者いじめは、やめるのです」 


 背中まで長い紫髪の少女が、現れた。


「なんだ、お前?」


「はん、女一人が来たところで、どうってことねえの」


「痛い目見ることになるのですが?」


 紫髪の少女の目は、鋭かった。


「やれるものなら、やってみろよ」


「こんな細身の体型の女には、何もできないだろーけどさ」


「うちが、何者か知らないということは、よーくわかったのです」


「なめているのか?」


「なめていますが、それはこれを見ても、図に乗れるのですか?」


 紫髪の少女の人差し指から、小さな炎が現れた。


「ひっ」

 

 不良たちは、怯えていた。


「この火は、これから君たちのところに向かおうとしているのです。

それでも、いいのですか?」


「ひ、すいませんでした」


 不良たち三人は一目散に逃げだした。


「助けてくれてありがとうございます、あの君は・・・・?」


「ただの通りすがりなのですよ。

それよりも、この倒れている人は?」


 この子は、不良グループに殴られて、気を失ったいじめられっ子だ。


「保健室に運びます」

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