第3話 こんな、疲れる三者面談があるか

 こんな、疲れる三者面談があるか。


「今の学力だと、いい高校に行くことは難しいね」


「はい、それなら、いい高校行けるように頑張ります」


「今からじゃ、遅いのっ!」


「学校見学は、行ったのかね?」


「行ってません・・・・」


 俺が答えたところに、叔父さんが


「異世界で、学校見学しました」


「おい!」


 異世界のことなんて、話すな!

 誰も、その話なんて、信じるわけないだろう。


「異世界だが、なんだか知らないけど、君の空想に付き合っている暇はないんだよ」


「空想なんかじゃありません。

本当に行きました。

でしたら、証拠を見せましょうか?」


「いいから、先生の質問を答える!」


「クラスのみんなにも、異世界転移とかの話をしているみたいだけど、本当に空想が好きみたいだね」


「はい、すいません。

家でも、きちんと言っておきます。

皆さんには、ご迷惑をかけてしまったみたいで」


 俺は、謝ったけれど、どう謝罪すればいいのか・・・。


「先生、空想が好きなことのどこがいけないのですか?」


「え?」


「人の個性ですよ」


「君、何様なの!?」


「後さ、学校の校則を守ってないね」


「学校に拘束?


誰か、縄で縛られているんですか?」


「ルールを守れないって、話をされているんだ!」


「男子は、髪が肩につくようなら、切るようにって言っているのに、どうしたらいいかな?」


「肩に神様がついていたら、切らなくちゃいけないって、ことですか?

先生、そんなことしたら、罰が当たります」


「髪をショートカットにしろって話だ!」


「ショートカット?


神様を傷つけちゃいけませんよ」


「神様じゃねえ、髪の毛!」


「後さ、廊下は走らないって注意されても、走るし・・・・」


「廊下を走っている人が、いるんですか?」


「間違いなく、叔父さんのことを言われていると思うよ・・・・」


「君は、身長が、低身長症じゃないかって、保健の先生も心配しててね・・・・」


「俺が、慎重派ってことですか?」


「違う、違う。

身長が低いということだ」


「僕、150センチ代ありますし、普通ですよ」


「この年齢で、身長150センチ代って、考えもので・・・・」


「保健の先生も、副担任の先生も、150センチ代ですが・・・・」


「男子でって話をされているんだ!」


「先生から言いたいことは、言い切ったつもりだから、ご家庭でも、どうするのかしっかり話し合うように」


「はい、先生、お褒めの言葉、ありがとうございます」


「今の話に、褒め要素あった!?」


 これで、三者面談は終わった。

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