第5話 はああ、結婚したいなあ

 叔父さんは、高校受験に挑むことになるけど、大丈夫かなと心配になる自分がいた。

 あそこは、掛け算さえできれば、合格できる高校だ。

 さすがに、叔父さんも、そのくらいならできるはず。


「合格発表来たよー」


「叔父さん、どうだったの?」


 叔父さんは、笑顔で答えた。

「高校に落ちたよ」


「君、そこまで馬鹿だったの!?」


 こうして、高校は異世界の高校に行くことになった。


「叔父さん、魔法なんて使えるの?」


「まほちゃんは、使えないよ」


「魔法だよ!?

しかも、まほちゃんって、誰!?」


「魔法高校で仲良くなった同級生」


「叔父さんに、友達なんてできるんだ」


「今度、家に呼んでくるね」


 別の日に、まほさんという人に家に来てもらったら、とてもきれいな人だった。

 まほさんは、水色とも呼べるような青髪のショートヘアーに、抜群のスタイル。

 

 叔父さんの通う魔法高校は、女子は確かブレザーに、ネクタイだったね。

 多分、まほさんは、魔法高校の制服を着ているんだと思う。


「初めまして、まほさん」


「初めまして」


 まほさんは、にっこりと挨拶を返してくれた。


 すごく、いい人・・・・。

 そのように感じた矢先


「まほちゃん、ジュース、とってきてくれない?」


「お客さんに、頼むな!」


 せっかくの雰囲気が台無しだ、この空気が読めない叔父のせいで。


「ジュースって、どんな飲み物がいいのですか?」


「まほさん、そんなことは気にしなくていいんです。

このバカ叔父さんの気まぐれですから」


「ぼく、誰かにバカにされてるの?」


「空気読んでくれない?」


「空気って、読めるの?」


「叔父さんってば、いつもこうなんだからあ」


 ここで、まほさんは、クスリと笑った。


「ライハイツさんは、甥さんと仲がよろしいのですわね」


「仲がいいって?」


 俺が不思議そうにしていると


「よし、気に入った。

僕の彼女になってくれないか?」


「上から目線だ!」


「まほと付き合うのですか?」


「付き合いたい。

付き合わなきゃだめだ。


運命の人は、まほちゃんしかいないから」


「叔父さん!」


「とっても、嬉しいですわ・・・・。


まほを好きになってくれる人が現れるなんて、嬉しいことこの上ないです」


 こうして、叔父さんは彼女持ちになった。


「はああ、結婚したいなあ」


 まほさんが帰ってから、呟く叔父さんだけど


「まずは、高校卒業することを考えようよ」


「何を言っている?


18歳の誕生日に、結婚すればいい」


「法律的には、結婚できるかもしれないけど・・・・」


「子供も、18歳になってから作ればいい」

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