第5話 スクイアットロは、俺といて大丈夫なのか?

 俺のまわりにいるだけで、人が死んでいく・・・。

 俺のいる場所には、必ずと言っていいほど、殺人事件、自殺、事故死など、死に関わる事件が起こる。

 それが、死に寄せ。


 研究所にいた頃も、研究員が何人か死んでいったと、スクイアットロから聞かされた。


 今日は、俺の両親が事故により、亡くなった。

 それで、俺は児童養護施設に入所することになったのだけど、そこでも誰かしろが死んでいくんだな、と想像ができる。

 この、死に寄せの魔力が消えない限りは・・・。


 俺の死に寄せは、日に日に強くなっていくのは、二日に一回のペースで、誰かが死んでいった。

 大きな児童養護施設だったけれど、職員や、子供たちが次々と亡くなっていった。


 児童養護施設にいる人たちが生きている日もあるけれど、その時は大体、学校の先生や生徒が死んで言ったりした。


 ここで、スクイアットロが俺の前に現れた。


「やあ」


「のんきだな」


 俺は、怒る気にもなれなかった。


「どうだい?


この、死に寄せと呼ばれる力は?」


「最低でも、二日に一人は、死んでいく。


俺のせいだって、自分を責めたくなるけど、自分ではどうしようもできない。


今すぐ、どこかに消えてしまいたいんだ」


「消えるって、どんなふうに?


残念ながら、お主が死ぬっていう選択肢はないぞ。


なぜなら、お主はパラレルワールドへ転生して、また同じことを繰り返すだけだからな」


「自身が死ぬことが許されないなら、俺は無関係な人を巻き込みたくない。


だから、犯罪者のところに向かわしてくれないか?」


「犯罪者のところに、向かってどうするつもりだい?


根本的な解決にはならないはずだけど」


「俺の死に寄せがあれば、犯罪者も何かしろによって、死んでいくと思うから、どうせ生きていけないっていうなら、そいつらが巻き込まれた方がいい」


「学校はどうするんだい?」


「行かない。


行けないって、言う方が正しいかもしれない。


児童養護施設の誰かが生きている時は、大体は、学校の誰かが死んでいる。


なら、俺はそんなところは行くべきじゃないかもしれない。


そして、俺はひとつだけ疑問を抱えていることがある」


「疑問とは?」


「スクイアットロは、俺といて大丈夫なのか?」


「いい質問だな。


死に寄せは、人間には間違いなく、適用される。


だけど、魔女と同じ能力を持つ者が一緒にいれば、呪いと同化するだけなのさ」


「よくわからないけど、スクイアットロは大丈夫ということでいいのかな?」


「そういうこと。


さ、お主は使命を果たす時が来たんだ。


ライハイツを救うという」


「ライハイツ君は死んだのに?」


「ここは、落ち着いて最後まで聞いてほしいな」

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