第10話 公園
次の日、みーちゃんは学校が終わりいつもの公園でこう君、ゆうちゃんとなーちゃんの三人と遊んでいた。
公園と言っても広場に近い。水道が通っているくらいで遊具は申し訳程度の砂場があるだけだ。
四人は鬼ごっこをしていた。じゃんけんで負けたなーちゃんが鬼で始まる。皆が散らばって距離を取った。
なーちゃんは最初にゆうちゃんに狙いを定めて追っていたがなかなかタッチできないのでみーちゃんに狙いを変える。そうするとみーちゃんにあっさりとタッチできた。
今度はみーちゃんの番だ。近かったこう君の不意をついてタッチしてあっという間に鬼がチェンジする。
こう君はみーちゃんにタッチされたのが気に食わないらしく文句を言っている。こうなると続きができないのでみーちゃんが提案した。
「みんな、おにごっごやるよりわたしの森の友だちをしょうかいしたいから森に行かない?」
「うん。良いよ」
「仕方ないわね。行ってあげる」
「お前がそう言うなら行ってやらなくもない」
こう君がそっぽを向く。それにゆうちゃんが問い詰める。
「けっきょく、行くの? 行かないの? どっち?」
ゆうちゃんに問い詰められてたじたじになるこう君。だけど途中で割り切ったのかやれやれといった感じで言う。
「……分かったよ。行けばいいんだろ?」
「じゃあ、さいしょからそう言えばいいのに」
「うるさい。ほら、森に行くんだろ? 早く行こうぜ」
なんだかんだ言いながらも四人は森に向かって出発した。
森の入り口に着いてみーちゃんが先頭になり森の中に入って行った。
少しすればいつもの場所に着くはずだったのだが、今日は未だに辿り着かない。焦れったくなったのかこう君が言う。
「まだ着かないのかよ」
「いつもはもう着いているはずなの」
「じゃあ、いつまでもここで探すのか?」
「それは……」
「もういい! だったらおれは帰る!」
こう君は森の入り口の方に走って行ってしまった。
「待ちなさい、こう君!」
「待ってよ、ゆうちゃん!」
「待ってみんな!」
それに続くようにゆうちゃん、なーちゃん、みーちゃんが後を追う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます