第24話 徒競走
みーちゃんの結果は惜しくも一位に届かず二位となった。
だが、みーちゃんはやりきった顔をしている。退場門までなんとか歩くと膝に手を付き、荒れた息を整えようとする。走った後だからか軽く汗がにじんでいた。
みーちゃんは呼吸が落ち着くと手をぎゅっと握り白組の所へ歩き出す。白組の自分の席に戻ってくるとこう君が駆け寄ってきた。ちなみにゆうちゃんとなーちゃんは赤組である。
「みーちゃんにしてはがんばった方だな。おれが次のときょうそうで一位になってやるから見てろよ!」
そう言うなり返事も聞かずに走って入場門へ行ってしまった。
砂ぼこりが舞い上がり皆が咳き込んだ。それにみーちゃんは苦笑いをする。
「こう君は、あいかわらずだね……」
そうこうしているうちに徒競走が始まった。
こう君は当然のように一位を取り帰ってくる。ニヤニヤしながらみーちゃんの所にやってきた。
「どうだ! すごいだろ!」
「うん、すごいすごい」
みーちゃんが適当に返事をするとこう君はムッとした顔になる。
「全然すごいと思ってないだろ!」
みーちゃんはそっぽと向く。
「あー! やっぱりそう思ってないよな! ……なんだよ、がんばったとかよくやったってほめてくれないのかよ」
みーちゃんは気になったのかこう君の方を向く。
「んー、何か言った?」
「なんでもねえ!」
「そっか」
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