第25話 ダンス

 玉入れ、綱引き、玉転がし等、様々な種目をこなしていき、ついに午前の最後のダンスだ。

 みーちゃんはポンポンを手に持ち入場門へ向かう。みーちゃんは眉に力が入り、口を固く結んで入場門をジッと見つめる。

 先生の号令でみーちゃんは入場し定位置で片膝を着き音楽が鳴るのを待つ。

 音楽が始まりみーちゃんはスッと立ち上がって踊り出す。

 みーちゃんは音楽の間奏の間に駆け足で場所を移す。

 途中、遠い所に見覚えのあるチョコレート色を見つけみーちゃんの顔が綻んだ。

 みーちゃんは首を横に振り表情を引き締める。ポンポンを握る手にも力が入った。

 最後まで踊り切ったみーちゃんは整列して退場門を潜ると息を吐いて体から力を抜く。

 みーちゃんは両親を探して歩き出した。校庭を一周して両親を見つけた。

 お母さんと目が合ったみーちゃんは手を振るとお母さんに手招きされる。

 みーちゃんを駆け足で向かうとそこにはお弁当があった。みーちゃんの好物である玉子焼きも入っているようだ。


「やったー! 玉子焼き入ってる!」


みーちゃんは両手を上げ目を輝かせる。お母さんは手で口を隠して微笑んだ。お父さんもしきりに頷いている。


「そうよ。実花が好きな甘めの玉子焼きにしたの。早く食べちゃいなさい」

「うん!」


みーちゃんはお母さんから箸を受け取ってお弁当を食べ始めた。

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