第13話 みーちゃんの遊び相手 その一

 りょーちゃんの手がみーちゃんの手に触れるとポカポカし始める。

 それに驚いたみーちゃんは体がピクリと動く。みーちゃんの体全体がポカポカしてくるとりょーちゃんは手を離した。


「これで準備は完了したよ。後はみーちゃんが帰って寝るだけだ」

「きっとお母さんも遊んで良いって言ってくれるからね。今日はもう帰っても大丈夫だよ」

「うん、りょーちゃんありがとう! じゃあ帰るの。バイバイ」

「またね」


 みーちゃんはりょーちゃんに手を振って森を出る。しばらく歩いて家に着いた。すると家の前にお母さんが待っているようだ。

 いつもは家の中にいるはずのお母さんにどうかしたのかな? とみーちゃんは不思議に思う。

 お母さんがみーちゃんに気付いた。


「おかえりなさい」

「ただいま」

「ちょっと聞きたい事があるの。家の中に入って」

「うん」


お母さんと一緒に家の中に入る。

 ランドセルを片付けして手を洗ってからリビングの椅子に座った。向かい側にお母さんが座る。

 みーちゃんが聞いた。


「それで聞きたいことって何なの?」

「今日、何があったか教えてほしいわ」


いつも話しているのにどうして聞いてくるんだろうとみーちゃんは不思議に思ったが話す事にした。

 学校であった事を思い出して言う。


「いいよ。今日はね、学校で算数のテストが満点だったの! 後で見せるね」

「分かったわ」

「今日はこう君がゆうちゃんにちょっかい出してゆうちゃんが怒っていたの」

「そうなのね」

「うん。学校がおわった後は、みんなで公園に行ってすなばでお山を作ったの」

「お山作りしたのね」

「その後、森の友達のところにいって遊んできたんだ」


りょーちゃんの事を話すとお母さんはやっぱりいい顔をしない。


「森の友達ね……」

「どうしたの?」

「なんでもないわ」


モヤモヤしたみーちゃんは何回かお母さんに聞いてみたがはぐらかされて答えてくれなかった。

 そうこうしているうちに寝る時間になってしまいりょーちゃんの言うことを信じて眠りについた。

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