第12話 人見知り
みーちゃんにはその気持ちが分かった。今遊んでいる三人ですらもここまで話せるまでに時間がかかったのだ。
「そっかー。わたしもそうなんだ。初めて会う人とお話しするのきんちょうしちゃうの」
それを聞いてりょーちゃんはホッとした。
「良かった。ボクだけじゃなかったんだね」
「わたしも自分しかいないのかと思っちゃった。りょーちゃんと一緒だ!」
「そうだね。お揃いだ」
「えへへ、おそろい!」
みーちゃんはりょーちゃんとのお揃いが見つかって満面の笑みを浮かべている。とても嬉しそうだ。
だが少し経つとうってかわってみーちゃんは申し訳なさそうな顔になる。
「りょーちゃんごめんね」
「うん? 何が?」
「わたし、みんなを会わせることしか考えてなくてりょーちゃんの気持ちをわすれてた」
「それを言うならボクだってみーちゃんに言っておけば良かったんだ」
「そういうならわたしもみんなをつれてくる前にりょーちゃんに聞けば良かったの」
みーちゃんとりょーちゃんが一旦静かになり笑い出す。
「ふふふ」「えへへ」
「ボクたち何やっているんだろうね」
「分かんない」
ひとしきり笑い終わるとりょーちゃんが言う。
「どうして急に友達を連れて来ようとしたのかな?」
みーちゃんはしょんぼりしながら言った。
「一昨日お母さんにね、りょーちゃんとあそんじゃだめって言われちゃったの」
「だからみんなとりょーちゃんであそべば良いかなって思ったからそうしようとしたんだ」
「そうなんだ。でも友達と遊ぶのも良いと思うけど?」
りょーちゃんは首を傾げて不思議そうにする。
「わたしはりょーちゃんとお話しするの好きだからみんなだけじゃいやなの」
「そっかー。なら、ボクの出番だね。みーちゃん、手を貸して?」
「こう?」
みーちゃんはりょーちゃんに手を差し出した。
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